――日本人は昔からタコが大好きです……主に食べ物として。ですがタコは非常に好奇心旺盛で、番組や本でも見られるとおり、人間に対しても興味津々に近づいてきますよね。我々をサメのような捕食者として恐れないのはなぜなのでしょうか? とても良い質問ですね(笑)。タコがいかに早く「信頼すること」を学ぶかについて、私はいつも驚かされ、感動しています……。殻も牙も爪も持たないタコは、非常に脆弱な生き物です。自分の身を守るものは何もありません。それでもタコは、その極端な脆弱性を上回るほどの衝動に駆られた好奇心を見せるのです。 私は、タコのこの特性は、親の世話を受けないことから来ていると考えています。タコは卵からかえった瞬間から完全にひとりぼっちです。指導してくれるタコはいません。そして、ほとんどの種が1~2年しか生きられない、とても短命な生き物です。でも、だからこそタコは、どんな機会も学びの経験と捉えるのだ
![人間とタコは、「友だち」になれるのか?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d97581412731cd6ce0a2dabcda8dadad7061a4f9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Fweb%2F15%2F360768%2F042300095%2Fph_thumb.jpg)