理科教育の充実を掲げた新学習指導要領が、09年度から小学校で先行実施される。文部科学省は09年度予算案に理科支援員の配置などを盛り込んだが、要の教員側に理科の苦手意識は強い。大学を中心に苦手克服へ向けた取り組みも始まっている。【三木陽介】 ◆東京学芸大が模擬授業 教員養成で長い歴史を持つ東京学芸大(東京都小金井市)が、文科省の補助金を受けて07年度から展開している事業「確かな理科授業力のある小学校教員の養成」が注目を集めている。学生の段階で実験・観察への苦手意識を摘み取ろうというのが狙いだ。 事業の中で2年生を対象に新設されたのが「小学校現場で活(い)きる実験観察トレーニング」。1班6人の計9班が順に実験・観察を取り入れた模擬授業を披露し、他の班や講師に講評してもらう。模擬授業の2週間前ぐらいから学生が自分たちで準備を進め、指導案を作成して本番に臨む。 昨年12月の模擬授業。先生役の高橋紘