政府は、民法に規定された親権について、制限する制度の導入方針を固めた。親による子への虐待が深刻化している現状に対応するためには、親権制限に踏み込まざるを得ないと判断した。千葉法相は2月にも法制審議会(法相の諮問機関)に親権制度の見直しを諮問する。2011年中に答申を得て、同年の通常国会に民法改正案を提出したい考えだ。 親権制限の見直し策としては、〈1〉一定の期限を設けて親権を停止〈2〉親権の一部である、子どもの世話や監督をする「監護権」などを停止する――などが挙がっている。 現行の民法には、親権の全部を奪う「親権喪失制度」がある。しかし、期限の定めがなく、親子関係に与える影響が大きすぎるとして、適用されるケースは少ない。このため、児童養護施設などの現場から、より使いやすい制度を設けてほしいとの要望が出ていた。 親権制限は、親族や児童相談所からの申し立てを受けて家庭裁判所が決定する。この後、