全国シェアの9割以上を占める三陸産ホヤと銀ザケの養殖場が、東日本大震災の津波で全滅していたことが分かった。 ホヤは養殖に3〜4年かかり、今年の出荷はおろか、今後の再開のめども全く立っていない。地元の養殖業者らは落胆の色を濃くしている。 宮城、岩手両県の漁協によると、津波で両県の25漁協のホヤ養殖場が全滅した。年間約800トンを出荷する宮城県石巻市の鮫浦湾では、養殖イカダが岸に流れ着き、がれきとともに山積みになっている。ホヤの保管倉庫は骨組みだけになってしまっている。 「海のパイナップル」と呼ばれるホヤはカキ殻に付着させた幼生をイカダにつるし、湾内で3〜4年かけて育てる。今季も順調に生育していた。養殖歴約30年の阿部敬喜さん(66)は「4年かけて収穫できる直前だったのに」と肩を落とした。 2009年の全国のホヤ水揚げ1万937トンのうち宮城が8986トン、岩手が1485トン。両県で96%を占