野沢和弘 毎日新聞夕刊編集部長 障害者差別をなくす条例(正式名称・障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例)が2006年10月、千葉県で成立した。世界では40数カ国で障害者差別を禁止する法律があると言われているが、その中には日本は含まれていない。国連からは2001年に日本政府に勧告が出されており、日本弁護士連合会や障害者団体が法制定に向けて活動しているが、政府を動かすには至っていない。国が動かないのであれば、県がまず条例をつくって各地に波及させていこうということで、この取り組みがはじまった。障害のある本人や家族が作り上げた「市民立法」ともいうべきもので、これからの地方自治・地方分権にとっても意義が大きいと思われる。 差別事例と研究会 条例制定等に向けた取り組みとして、県障害福祉課は04年9月から県民に「差別に当たると思われる事例」を募集した。県内各地から教育、雇用など日常生活