本の開き方 新しい本を開く場合に、よくいきなり強く開く人があるがそれはダメです。開かない本でも、開く本でも、このような本の開き方をしますと、本の背貼りが完全にやられてしまう。かがり糸がゆるんで、折り丁がずり出てこわれてしまう。 そこで、最初に本を開く場合には、机の上かやわらかいものの上に静かにおき、まず双方の表紙をのど元まで開くようにする。 次に本文を前から十ページぐらいめくり、のど元まで開いてから指先で軽くおさえ、また、巻末の方から同じように十ページぐらいをめくって、のど元まで開いてから指先で軽くおさえるようにします。 このようなことを本の中央まで交互に二、三回ずつくり返しますと、本が開きやすくなります。 現在の本の中には、用紙の選択や背加工の工夫によって、開きやすいようにつくられているものもありますが、出版物全般からみますと、まだまだ開きの悪い本が大部分を占めています。 したがって、新
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