12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」が打ち上げに無事成功し、大きな話題となった。はやぶさ2のような宇宙探査機に使われるテクノロジーといえば、さぞ高度で科学の粋を集めたものなのだろう、と想像を膨らませる読者もいるかもしれないが、実際には必ずしもそうではないのだという。 今回は、『はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査』を執筆したノンフィクションライターの松浦晋也氏に、はやぶさ2や日本の宇宙開発の現状、宇宙のテクノロジーの未来についてお話をうかがった。 探査機や衛星の搭載技術は必ずしも最先端ではない ――探査機や衛星に搭載される技術といえば、科学や工学の最先端というイメージがあります。 松浦 「宇宙のテクノロジーというのはけっこう厄介で、みんなが思っているようなものとは違うかもしれません。何よりも信頼性が求められるので、実は技術的には確実性の高い、古いものを使っていることがほとんどです。『