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ブックマーク / magazine-k.jp (5)

  • 電子書籍の「探しにくさ」について

    紙版が100万部を突破、12のストアでほぼ同時発売された電子書籍版も空前の売り上げを記録した『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』(講談社)。同書は内容のすばらしさもさることながら、「紙でも、電子でも」買える環境を新刊刊行と同時に広範に提供した初の書籍としても、後世に語り継がれるものになりそうだ。 だがそのことは同時に、従来の電子書籍の世界からは見えなかった課題も、あぶりだすことになった。紙と電子の書籍を横断検索できる「ブック・アサヒ・コム」の運営に携わる経験から、また発売日に複数の電子書籍ストアで同書を購入した個人的体験から、現段階でわかっていることを報告したい。 中心的なテーマは電子書籍の「探しにくさ」である。 電子書籍版『スティーブ・ジョブズ』の例から考える 発売前後の経緯を簡単に振り返ってみよう。各種報道によると、講談社は同書を当初2011年11月に発売する予定だったが、10月5日のジョブ

  • ジョブズの本で考える、本の適正価格

    今月に入ってずっとマスコミを賑わせ続けた人と言えば、スティーブ・ジョブズ。もうお腹いっぱい、ではあるが、ウォルター・アイザックソンによるバイオグラフィーが世界同時発売ということで、色々と思うところがあったので、それを書いておく。 まずは紙のでの話。アメリカではサイモン&シュスターから出ているハードカバーの希望小売価格が35ドル(約2700円)、アマゾンやバーンズ&ノーブルのオンライン書店ではこれが17.88ドルとほぼ半額となっている。刊行日を前倒しにした「ラッシュ」とはいえ、これだけ時の人となっている時期に刊行されるベストセラー間違いなしのタイトルなので、卸値価格を考えるとアマゾンもB&Nもハードカバーでの儲けは紙一重の小さいもののはずだ。Eブックの販売も手がけているからこそできる大技。他の書店ではこんなに安売りするわけにはいかない。 これが講談社から刊行された日語版だと、上下巻で各

  • 震災の後に印刷屋が考えたこと

    3月11日に発生した大きな地震を、僕はオフィスで迎えた。 僕のオフィスはもともと活版印刷機を回していたビルなので、古いが大変に頑丈な作りをしている。ゆっくりと増幅しながら粘る揺れは、最初は水平方向に縦横に、次いで垂直方向を混ぜた立体的な揺れに変化して、オフィスを気持ち悪く揺さぶった。 僕のすぐ後ろの棚はシート(断裁等していない刷ったままの印刷物)を吐き出し続け、書棚は不恰好なダンスを踊っては壁にぶつかって音をたてた。重い原棚が摺り足でせり出してくる。上司が「ついに来たか!」と叫んだ。 幸い社屋の損傷は軽微で、けが人も出ることはなかったが、総務部の判断で16時をもって社員は解散ということになった。その一方営業に出たきり連絡の取れない社員もあり、また顧客に呼ばれて出て行くものもあった。こんな時に営業にきたと得意先でアイドルになった営業もいる。 後に聞いたところでは東京西部と埼玉にある印刷現場

  • フランクフルト・ブックフェアで次期EPUBの概要発表

    10月12日、アメリカ電子書籍標準化団体の一つ、IDPFのLiza Daly委員(Threepress Consulting社長)はフランクフルト国際ブックフェアで行なった次期EPUB3(旧:EPUB 2.1)に関する講演の内容をウェブに公開した。 興味深いプレゼンなので内容を簡単に要約して紹介する。 ■解説音声付き 目的 世界の多種類の言語、ネーティブ・マルチメディア、 スクリプトによる対話性、高度なレイアウト等のサポートに必要な規格を制定する。 ePUB3制定へのプロセス 2010年4月に憲章を制定して作業をスタート、6月にニューヨークで第1回会合を行った。夏までに各種要求出揃う。2011年の第1四半期にドラフト・フォー・コメント(最終案)を公開し、標準化採択は2011年第2四半期を目標としている。 多言語サポート 縦書きレイアウト、双方向のページ進行、ルビ、外字のサポートを行う。C

    フランクフルト・ブックフェアで次期EPUBの概要発表
  • 編集者とデザイナーのためのXML勉強会

    電子出版が話題になっていますが、今まで紙の印刷物を作ってきた編集者やデザイナーたちは、自分たちの仕事は今後どうなっていくのだろうかと不安を抱えています。「これからXMLやEPUBでの電子出版が主流になる」と言われても、それがどのようなものなのか、なかなかイメージが掴みにくい人も多いようです。 そこで、4月の16日にTwitter上で呼びかけた有志が集まり「HTMLもよくわからない編集者とデザイナーのためのXML勉強会」を行いました。これだけでXMLが理解できるというものではなく、この先に各自が自分で勉強していくためのガイダンスというか、入門の入門みたいな話です。 ここでは勉強会で私が話した内容を掲載します。具体的には、編集者やデザイナーが「文章」をコンピュータ上で「受け渡すための方法」や「再利用」「互換性」などに関する話なので、技術的にはかなり端折った説明となりますがご容赦ください。 コン

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