ブックマーク / artscape.jp (12)

  • 【バンコク】革命と芸術:タイで中高生が巻き起こした旋風:フォーカス|美術館・アート情報 artscape

    2020年はコロナが世界を震撼させた年となったが、タイでは別の意味で世界がひっくり返るような年となった。若者たちを中心に、実質的な軍政である現政権の退陣、民主主義に則った新憲法制定、さらには、王室制度の改革まで要求する運動が持ち上がったのである。王室は神聖なものであり、触れることは絶対にタブーとされてきた王室問題を、しっかりと見つめ議論しようという運動が1932年の立憲革命以来初めて大規模に起こったことになる。これまで19回にも及ぶ軍事クーデター★1と憲法廃止の繰り返し、そして軍事クーデターが無理と思えば司法クーデターという手段すら駆使して権力を維持してきた支配層は、中高生をも含むこの新たな運動に驚愕した。3つの要求はまだどれも満たされていないものの、タイをもう二度と元に戻れないところまで運んだという意味で、2020年民主化運動の意義には計り知れないものがある。 1970年代、1990年代

    【バンコク】革命と芸術:タイで中高生が巻き起こした旋風:フォーカス|美術館・アート情報 artscape
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    kanflu 2021/02/03
  • 芸術の自律性をいかに回復させるか──あいちトリエンナーレ2019から私たちが引き継ぐべき課題:キュレーターズノート|美術館・アート情報 artscape

    この連載は「キュレーターズノート」という名称で、展覧会レビューと自館事業の紹介を繰り返し行なっている。その定期的な報告が難しいと感じたのは東日大震災のとき以来かもしれない。この8月から9月にかけて、なるべく普段通りの日常を過ごそうとする自分がいたのも確かだが、結局のところ、多くの時間が「あいちトリエンナーレ2019」をめぐって怒り、考えたことや知らなかったことをほかの人と共有し、いくつかの活動に参加することに費やされた。したがって、今回はいつもの連載とは異なり、「表現の不自由展・その後」展の中止とそれによって引き起こされた出来事をめぐって考えたことを書く。 ※稿は2019年9月22日時点で書かれたものであり、その後の経緯については加筆していません。 戦争を生み出した人間の罪──《旅館アポリア》の複層性 ただ、もちろん今回のあいちトリエンナーレにも多くの優れた作品が展示され、それを十分に

    芸術の自律性をいかに回復させるか──あいちトリエンナーレ2019から私たちが引き継ぐべき課題:キュレーターズノート|美術館・アート情報 artscape
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    kanflu 2019/10/02
  • メディアから考えるアートの残し方 後編 歴史の描き方から考える──展示、再演、再制作:トピックス|美術館・アート情報 artscape

    畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)/金子智太郎(美学・聴覚文化研究、非常勤講師)/石谷治寛(視覚文化研究、京都市立芸術大学芸術資源研究センター) 2019年04月01日号 美術館ではコンサバターやレジストラーといった専門家が、アート作品の保存や修復、管理を担っています。しかし、モノとして保存することが難しい作品の場合、どのように未来に伝え、残すことができるのでしょうか。近年はメディアの特性を活かした作品の再制作や再演も行なわれています。メディアの視点から、再演や再制作、そして「作品」という枠組みやその経験のあり方を捉え直す企画の後編です。 日美術サウンドアーカイヴを主催する金子智太郎氏、90年代の京都のアートシーンを調査する石谷治寛氏、そしてICC主任学芸員の畠中実氏にお話いただきました。研究者や学芸員の立場から、それぞれの活動を通して議論します。

    メディアから考えるアートの残し方 後編 歴史の描き方から考える──展示、再演、再制作:トピックス|美術館・アート情報 artscape
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    kanflu 2019/06/13
  • 芸術祭と美術館の創造的な関係──あいちトリエンナーレ2019を控えて:キュレーターズノート|美術館・アート情報 artscape

    芸術祭と美術館の創造的な関係 ──あいちトリエンナーレ2019を控えて 鷲田めるろ(キュレーター) 2019年02月15日号 8月に始まる「あいちトリエンナーレ2019」の準備が佳境に入りつつある。昨年10月に約3分の1のアーティストを発表した。3月末にほかの全アーティストを発表する。毎週、何人ものアーティストが会場を訪れ、打ち合わせと予算の調整を重ねている。 一時的な芸術祭、恒久的な美術館 「あいち」の特徴は美術館を会場していることである。街中の会場もあるが、今回は愛知県美術館、名古屋市美術館に加え、豊田市美術館を使う。それぞれ充実したコレクションを持つ美術館である。今日、日で芸術祭が乱立していると言われているが、そのうちの多くは県立・市立規模の美術館なしで行なっている。ヨコハマトリエンナーレや福岡アジア美術トリエンナーレは美術館を会場としているが、1館のみである。多くの芸術祭が美術館

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    kanflu 2019/03/05
  • ヤノベケンジ《サン・チャイルド》:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape

    福島市子どもの夢を育む施設こむこむ館[福島県] ネットで炎上していたので、仙台に向かう途中、福島駅に寄って、公共施設「こむこむ」に設置されたヤノベケンジの《サン・チャイルド》を見てきた。あまりの騒動ゆえに、駅前の広場で誰でも見えてしまうような立ち方を想像すると、いささか拍子抜けするだろう。なぜなら、距離的には確かに駅の近くだったが、大きな駐車場を挟んで、かなり脇のほうに位置しており、お昼でも人通りがあまり少ない場所だからである。そもそも、筆者はもう数え切れないくらい福島駅を利用したが、こむこむという建物の存在を今回初めて知ったくらいだ。彫刻の立ち方について、正確に言うと、こむこむの敷地内というか、手前の列柱のあいだに挟まっている。つまり、あまり良い設置法ではない。したがって、たとえ正面を自動車で通り過ぎても、斜めからは見えづらく、正面を通る瞬間にだけ全貌が見える。もちろん、こむこむを使う使

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    kanflu 2018/09/20
  • デジタル公共圏における地域映像アーカイブの役割──風景から「ともに生きる場」を構想する:デジタルアーカイブスタディ|美術館・アート情報 artscape

    デジタルアーカイブは、社会の情報基盤のひとつとして広く認識されてきた。市民目線から見るデジタルアーカイブ、生活に根差したデジタルアーカイブとはどのようなものなのか。『手と足と眼と耳:地域と映像アーカイブをめぐる実践と研究』(学文社、2018)の編著者であり、メディア論、社会思想、情報記号論の研究をベースに、地域コミュニティによる映像アーカイブの現場に立つ、東海大学文化社会学部広報メディア学科教授の水島久光氏にご執筆いただいた。(artscape編集部) ダムに沈んだ街、大夕張──写真に残されたかつての賑わい 財政破綻で耳目を集めた北海道夕張市の東部に、かつて住民が誇りを持って「大夕張」と呼んだエリアがあった。三菱大夕張炭鉱の城下町で、最盛期の1950年代には2万人の人口で栄えた夕張市鹿島地区、いまは国内最大規模の多目的ダムで全国第2位の湛水(たんすい)面積を誇る夕張シューパロダムに沈んだ街

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    kanflu 2018/09/20
  • 中西夏之《紫・むらさき XVII》──浸透していく無限「林道郎」:アート・アーカイブ探求|美術館・アート情報 artscape

    ※《紫・むらさき XVII》の画像は2018年5月から1年間掲載しておりましたが、掲載期間終了のため削除しました。 絵画という装置 美術館の企画展が太陽なら、常設展は月かもしれない。いや、常設展のほうが太陽なのかもしれない。数年間の周到な準備期間を経て、国内外から逸品が一堂に会する企画展は、メディアにも大きく取り上げられ、貴重な美との出会いに多くの人々が集まり華がある。一方、美術館の所蔵品を鑑賞する常設展は、行列に並ばなくてもゆっくりと鑑賞できる。常設展は、いつ行っても常に同じ作品と思いがちだが、季節や所蔵品の特徴を引き出すテーマによる入れ替えなどがあり、時にはキラッと光る思いがけない作品と出会うことがある。歴代の学芸員らが収集してきた作品は美術館の骨格とも言えるだろう。しかも鑑賞料は企画展よりお安い。心と体のために、全国常設展めぐりというアートツアーも計画できそうだ。 東京国立近代美術館

    中西夏之《紫・むらさき XVII》──浸透していく無限「林道郎」:アート・アーカイブ探求|美術館・アート情報 artscape
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    kanflu 2018/05/20
  • 彫刻を見よ──公共空間の女性裸体像をめぐって:フォーカス|美術館・アート情報 artscape

    で育った大多数の人々にとって、「美術」「彫刻」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、古風な衣服をまとった西洋人の石膏像と並び、駅前や公園など、屋外の公共空間にある記念碑的な人物銅像(その多くが裸体を晒している)ではないだろうか。しかし(「美術」「彫刻」という言葉と同じく)国内でそうしたイメージが定着したのはそれほど古いことではない。その過程に何があったのだろうか? 最近のartscapeでも、 3月1日号村田真レビューでは「小沢剛 不完全─パラレルな美術史」展、また同じく4月1日号の星野太レビューで荒木慎也『石膏デッサンの100年──石膏像から学ぶ美術教育史』がピックアップされている。今号では、彫刻家で彫刻・銅像・記念碑研究者の小田原のどかが、公共空間での「女性」裸体像の起源に迫る。なお稿に関連し、昨年4月15日号高嶋慈レビューによる小田原の個展「STATUMANIA 彫像建立癖」評も参照

    彫刻を見よ──公共空間の女性裸体像をめぐって:フォーカス|美術館・アート情報 artscape
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    kanflu 2018/04/19
  • 文化庁「我が国の現代美術の戦略的海外発信に向けた関連資料の整理」成果報告会(2/18):2018年|美術館・アート情報 artscape

    さる2月18日(日)、国立新美術館において報告会が開催され、文化庁の助成プログラムで採択された4団体による成果報告が行われました。 平成29年度の文化庁の助成プログラムを受けた4団体は、それぞれ作品や作家に関連した資料の整理と保存のため、資料のデジタル化・データベース化を「アーカイブ」というキーワードで構想から実践へとプロセスを進めていました。 この助成プログラムは、応募要件として、「主たる対象とする芸術運動は,日の戦後美術の中でも,特に国立美術館で作品を所蔵する作家に関連するものとする。また,研究対象として国際的にニーズが高いものとする。」と定めています。平成30年度も一定の規模で継続される見通しであるということで、実践的な取り組みが加速し、国際的にも注目が集まる日現代美術の地位を高めることが期待されます。 吉間仁子「来たるべきアート・アーカイブとは<報告>」 カレントアウェアネス 

    文化庁「我が国の現代美術の戦略的海外発信に向けた関連資料の整理」成果報告会(2/18):2018年|美術館・アート情報 artscape
  • 【ロサンゼルス】ジェントリフィケーションの前線と前衛アートの共存思考:フォーカス|美術館・アート情報 artscape

    キオ・グリフィス(ヴィジュアル・サウンド・アーティスト、キュレーター、デザイナー) 2018年03月01日号 移民が流れ着く地方都市のような大都会、ロサンゼルス。映画都市でもあるこの街は、半世紀前に計画的に創造され、マシンカルチャーを中心に動く、砂漠から蜃気楼のように実現した未来都市である。その未来都市も、映像世界で予知された2010年代に到達するとレトロ化して見えるものだ。テクノロジーのスピードと未来への遠い憧れが交錯した状況のなか、大小様々なアートスペースが登場し、ロサンゼルスはようやく美術の首都として変貌しつつある。他方で、激しいジェントリフィケーションへの地元住民の反発がアートスペースに向けられる現象も起きている。 増え続けるオルタナティブスペース この不確実で不定形な有様も、西海岸の文化の特徴なのだろう。長い間、ニューヨークのアートシーンに反抗するスタンスを維持することでアウトサ

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    kanflu 2018/03/06
  • 岡﨑乾二郎の認識 抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜:キュレーターズノート|美術館・アート情報 artscape

    展は、豊田市美術館のコレクションに、他館や個人所蔵家の作品もお借りして、19世紀末から第二次大戦後までの時期を中心に、美術だけでなく、建築、音楽、文学、ダンスにまで及んで相互に連関しあう「抽象の力」を、新たに汲み取ろうとするものである。キュレーションは、作家である岡﨑乾二郎氏。勤務館の展示は、どうしても客観性に欠けたり、自画自賛になったりする恐れがあるので、活動報告としてはよくても、レビューとしては取り上げにくい。けれど展は、岡﨑氏による企画(担当は千葉真智子学芸員)なので、ここでレビューとして扱わせてもらうことにする。なにより、美術の規範を形づくり、歴史の保存庫となるはずの美術館というものを、いま改めて考え直すためにも、この展覧会はとても重要なのである。 図1 会場風景[撮影:青木謙治] 1995年に開館した当館のコレクションは、良い意味でも悪い意味でも、通史的にはなりえていない。収

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    kanflu 2017/06/02
  • 音の展開2017:フォーカス|美術館・アート情報 artscape

    美学・聴覚文化研究の金子智太郎氏による、音とアートをめぐるレポート。artscapeにて2013年に掲載された「[“音”の現在形]聴くこと、見ること、知覚すること──音=楽=アートの現在形」、2014年の「いま知っておくべきアートワード50選『音の展開2014』」に続き、今回はこの冬に東京で開催されたコンサートを中心に取り上げます。 「“音”の現在形」──artscape 2013年12月15日号 「音の展開2014」──artscape 2014年8月1日号 聴きとれない音、音のパターンの表象と操作 2016年6月にデンマークで開催された、サウンド・アートの作家や研究者が集まる国際会議「サウンド・アート・マターズ」に参加することができた★1。そのなかで注目を集めていたテーマをいくつかあげると、アクティヴィズム(例えば「ストリートのサウンド・アート」)、エコロジー(「ポスト人新世のための音

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    kanflu 2017/02/15
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