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甥の山上徹也が安倍晋三元首相を銃撃した2022年7月8日の事件から、まもなく1年が経とうとしている。 事件後、私はマスコミ関係者に事件の背景を説明してきた。徹也の幼い頃に父親(私の弟)が自死したことや、徹也の母親が旧統一教会に多額の献金をしたことが原因で一家が破産したこと、さらには障害者だった徹也の兄が将来を悲観して自死したことをなどである。そうした事件の背景を説明することが伯父としての社会的責任だと考えたからだ。 徹也の捜査は終了し起訴されたことで、私は、自分の任務を終えたと考えている。ところが事件から1年という節目が近づいているからか、最近、再びマスコミ関係者が私のところにやってくるようになった。その一つひとつに対応するつもりはないため、以下、徹也に関することを記しておくことにした。 海水浴場で見せた笑顔 まずは彼の少年・青年時代に触れておきたい。 彼の父親が自死したのは1984年、徹
会員・非会員の区別をなくし、会費ゼロの“新生・都P”に 2022年6月――東京都の小学校PTAを束ねる「東京都小学校PTA協議会」(以下、都小P)は、22年度総会において、PTAの全国組織である「日本PTA全国協議会」(以下、日P)から23年3月末をもって退会する方針を決めた。その昔「1957年に日P退会後、1965年に復会」という歴史を経たうえで、都道府県や政令指定都市の都道府県PTA連合会・協議会(以下、P連)が全国組織を改めて退会するのは全国で初めてで、さまざまなメディアで大きな話題となった。 当時、都小Pに加入していた都内の公立小学校PTAは約190校で、会員は約9万人。児童1人当たり20円の会費を集め、このうち児童1人当たり10円、総額約90万円を日Pに支出していた。 「退会のいちばんの理由は、『自分たちの活動をできるだけシンプルにしたい』ということです。これまで、『都小Pとして
タコツボと化した巨大官庁 船橋 洋一(以下、船橋):前回はリーダーシップ論について伺いましたが、今回は最終回ということで、官僚制の問題から中央と地方の関係の課題、さらには日本の問題、課題というところに踏み込んでいきたいと思います。 リーダーシップ論の中では、指導者と専門家の関係のあり方についても伺いましたが、戦前は専門家集団である軍部と政治指導者の対話や協力が、軍人の政治的成熟度という問題も含めてうまくいっていなかった、それが悲劇でした。今回のパンデミックでは、アドバイザーは感染症を専門とする科学者ということになりますが、官僚制の課題としては、感染症の危機管理を担当する厚生労働省です。 厚労省の予算は他の省庁と比べて突出して大きいが、人員は行革で削られてきています。ワクチン予防接種室は危機勃発の時、わずか10名ほどでした。組織ガバナンスがうまくいっていないことは、近年の政治スキャンダルの多
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先日、大阪府泉佐野市のふるさと納税制度による2018年度の寄付額がなんと約497億円に達する見通しと報道されました。2017年度に全国でトップだったときの135億円に比べて約3.7倍となる、大きな金額です。同市の一般会計予算は約517億円ですから、実に一般会計予算に匹敵する寄付金を集めたことになります。 ふるさと納税はワンストップ納税、控除条件の拡大などによって一気に拡大し、2018年度には4000億円を超えたと推定されています。総務省は泉佐野市の取り組みを好ましくない事例として位置づけ、異例の指導に入り、すでに「特別交付税減額」という措置を3月に行いました。同市への交付税額は昨年度比1億9500万円減の6200万円となっていますが、別途約497億円を集めたわけですから、痛くもかゆくもないでしょう。 今年はふるさと納税の「逆噴射」が地方を襲う ふるさと納税という仕組みは、当初から「納税者」
あの米グーグルが扱う「グーグルマップ」に、この3月から異変が生じている。日本の地図から道路が一部消えたり、停留所などの表示が消えたりするなどの”不具合”が発生している、というのだ。これには、今まで地図情報を提供していたゼンリンに対して、グーグルが契約見直しを迫った、との見方がもっぱらである。 ゼンリンが自社の地図情報をグーグルに提供したのは2005年から。人手によって道路や標識を実地で確認しており、国際的に比較しても、地図の正確さや緻密さには評価が高い。日本のユーザーが求める水準も高かったが、ゼンリンはそれに応えてきた。が、ストリートビューなどIT技術を駆使して情報を集めるグーグルが進化とともに、自前のサービスを持ちたがるのは当然で、グーグルも今回、オフラインマップなど新たな機能の追加を予定している。ゼンリンも自社の有料アプリを展開しており、この部分でマイナス面が大きかったのも事実だろう。
環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の頭文字を取ったESG投資に注目が集まっている。2017年7月にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国内株式を対象にしたESG(環境・社会・ガバナンス)指数を採用。実際に指数に連動した運用も始め、日本国内でもESG投資が広く知られるようになってきた。 東洋経済新報社では独自の調査票で集めた日本最大のCSRデータベースを基に環境(E)、社会性(S)、企業統治(G)に加えて人材活用(H)の4つの評価軸で「東洋経済CSR評価」を作成している。特に「会社の基盤は人」という考え方を基本に、ESGのベースとして人材活用(H)を重視し、「ESG-H」という枠組みでの企業評価を2006年以来、12回実施してきた。 ESGを重視する200社を抽出 今回はこの評価データを使いESGに優れた銘柄選びを行った。対象は『CSR企業総覧』(雇用・人材活用編)(ESG編)
――日本の水産物の資源状態についてどう思いますか。 日本各地でいろんな漁場を見せていただいたり、漁船に乗せていただいたりしています。「すギョいいっぱい獲れてる!」と思っても、実際はいつもより少ないということもあります。例年とどう違うのかは専門家や浜の方に聞くのが一番重要かなと思っているところです。 近年は日本近海の水温上昇とともに獲れるお魚の種類や旬自体が変わってしまっているとよく聞きます。たとえばサワラですね。西日本のお魚というイメージがとても強いですが、最近は三陸や日本海側の港にサワラが大量に水揚げされている光景を目のあたりにすることが多いです。漁師さんに聞くと「サワラなんてこっちでは以前はそうめったに獲れなかった」とおっしゃっていました。獲れる漁場が変わっているんですね。 旬がなくなっちゃう 多摩川のアユは秋に産卵するんですが、水温が下がりきらないので翌年の春に産卵することもあるらし
内戦下のシリアに2015年6月、トルコ南部から陸路で密入国し、武装勢力に拘束されていたとされるフリージャーナリスト安田純平さん(44)が解放された。今のタイミングで解放につながったのは、シリア内戦が最終局面に至っているという現地情勢と、水面下で続けられてきた解放への外交努力の存在だ。 安田さんは、イスラム過激派組織「シリア解放機構」(旧ヌスラ戦線)に拘束されていたとみられ、テロ組織と交渉しないという日本政府の高官は「身代金の支払いはない」と主張した。だが、日本政府は、過激派を支援してパイプを持つカタール政府やトルコ政府に仲介を求めており、カタール政府が身代金を支払ったとの情報もある。 内戦は最終局面 2011年の「アラブの春」をきっかけに始まったシリア内戦は、ロシアやイランの軍事支援を受けたアサド政権が首都ダマスカス周辺や南部、ホムスなどの中部から反体制派を相次いで駆逐し、最終局面に入って
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「ある地域を活性化する」という時、全国の自治体関係者などが注目するのは、その時々の「成功事例」です。厳しい環境下でも、地元の少数のチームが新たな方法を地道に積み上げ、成果を生み出す地域は必ずあります。その「サクセスストーリー」と実績は、他の地域の人々の「希望の星」になります。 しかしながら、成功事例は時に”政策の道具”として扱われ、数年のうちに使い捨てられてしまうという悲しい現実があります。「成功事例を皆に伝えるため」という大義名分で行われる、さまざまな行政の施策が実はその地域の負担となり、長期的にはその活動を衰退させていくことになりかねないのです。 成功事例の”調査”事業は、現場を疲弊させるだけ 成功事例に群がる人々が害悪になる可能性があることは「地方を滅ぼす『名ばかりコンサルタント』でも触れたとおりです。今回は、地方創生に携わるすべての方々への警鐘の意味も込めて、「『成功事例の使い捨て
東京オリンピックが開催される2020年以降に、大都市の土地に対する需給バランスが大きく崩れるのではないかと予想されていることをご存じだろうか。 2022年に、いわゆる「生産緑地」の多くが、マンションや一戸建てなどの住宅用地として順次放出される可能性が出ているのだ。放出候補となる土地の面積は、実に東京ドーム2875個分という広大なものだ。 空き家増加に歯止めがかからなくなる 2017年現在、全国の空き家数はおそらく1000万戸を突破しているものとみられるが、このままでは空き家増加に歯止めがかからなくなる。不動産の価格は言うまでもなく「需要」と「供給」で決まるが、大都市圏の住宅価格には非常に大きな下落圧力がかかるだろう。 この件は不動産市場の「2022年問題」といわれ、大量の住宅用地放出を、ハウスメーカーやマンションデベロッパー、アパート建設会社などがビジネスチャンスととらえ、虎視眈々と商機を
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