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ブックマーク / traindusoir.hatenablog.jp (11)

  • オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(2) - 備忘録

    ※追記を追加しました。(09/05/26) (前回のエントリー) オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) 下記の論文(講演録)翻訳の続きです。*1 オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(MIT Department of Economics Working Paper Series) (追記) 通常であれば、この論文の解題および日経済への含意について整理したいところですが、せっかくですので、読者の方それぞれに考えていただけたら幸いです。あり得べき議論について、自分なりに補助線を引くと、次のようなものになります。 欧州モデルが備えるべき「3つの支柱」とその意味、また、それぞれの視点からみた欧州経済の現状と課題。 日の雇用政策の現状と課題(特に、基金の側面から)。 ハローワークの民営化に関する現在の議論と、ブランシ

    オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(2) - 備忘録
  • オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) - 備忘録

    英語練習のため、以下の論文(講演録)の翻訳を行いました。*1 オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(MIT Department of Economics Working Paper Series) この論文は、田中秀臣「不謹慎な経済学」の中でも端的に整理されているもので、競争を促す制度や、雇用関係における「信頼」の重要性が指摘されています。 不謹慎な経済学 (講談社BIZ) 作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/21メディア: 単行購入: 9人 クリック: 303回この商品を含むブログ (59件) を見る この論文では、まず、持続可能な欧州モデルが備えなければならない「3つの支柱」:財市場における競争、労働市場における保険、マクロ経済政策の積極的利用、が説明され、それぞれの具体的な課題が論じられています。そして後半(未訳

    オリヴィエ・ブランシャール「持続可能な欧州社会経済モデルは存在するか?」(1) - 備忘録
  • 経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」 - 備忘録

    の雇用情勢についてひととおりの見通しを行ったので、つぎに、米国の経済情勢についてみておくことにします。昨年11月に掲載した下のエントリーを更新しますが、今回は少し長いスパンをとっています。 http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081127/1227792848 インフレ率と完全失業率 まずは、インフレ率と完全失業率です。 ここで注目されるのは、完全失業率の足許における急上昇です。一方、インフレ率は、1990年代以降の低下傾向が続いており、足許では、景況の悪化によってさらに低下することが懸念されています。インフレ率が低水準にある中で完全失業率は急騰しており、こうした状況においては、総需要喚起的な政策をさらに進める必要があるといえそうです。*1 金利と為替 つぎに、金利と為替レートについてみておきます。 長期金利は、これまで、金利水準が国際的に収斂するなか

    経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」 - 備忘録
  • デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(3) - 備忘録

    雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析 作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る (過去のエントリー) デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(1) デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(2)──市場と商品 内部労働市場についての一般的な理解 前節では、労働市場という概念について考えてみた。労働市場は、生産に用いられる要素である労働を効率的に配分する機能を持ち、そこでは、その時点における労働の価値が「公正」に評価される。しかし、労働市場で評価されるのは、あくまでその時点における労働の価値である。労働力を再生産する過程で要する費用(生計費

    デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(3) - 備忘録
  • 2008年12月データによる更新 - 備忘録

    完全失業率は、ここ数ヶ月のブレはあったものの、ほぼトレンド的に悪化しています。コア物価は、原油価格の低下等にともない低下しており、料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前月と同水準で、来月にはマイナスとなることが見込まれます(東京都区内の2009年1月の結果は0.3%の下落)。当初の予想の通り、日経済は、再びデフレが深化してくることがはっきりしてきました。生産のフリー・フォールは引き続き継続しており、雇用は、しばらくは悪化しつづけることがおおむね確実でしょう。 日におけるオークン法則 デフレの深化が反転する可能性は極めて低く、完全失業率は、過去最悪水準(5%台半ば)を優に超えることも視野に入れる必要がありそうです。今回の景気の局面では、完全失業率の水準からみてきわめて早い段階から、政府・与党には、これまでにないような大胆な雇用対策を策定する動きがみられました。*1その認識は正しい

    2008年12月データによる更新 - 備忘録
  • デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(2) - 備忘録

    雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析 作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る ※付注を追加しました(02/09/09)。 (過去のエントリー) デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(1) 市場と商品 日の雇用慣行を考えるときに(あるいは、日だけに限られるものではないのかも知れないが)欠かすことのできないキーワードに「内部労働市場」というものがある。内部労働市場とは何を意味するのかを検討する前に、まずは、「市場」とは何かについて、よりつきつめて考えておく必要があろう。市場とは、「商品」が交換(ないし、売買)される「場」が抽象化された概念である。ここでいう商品とは、

    デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(2) - 備忘録
  • ポール・クルーグマン「格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略」 - 備忘録

    格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略 作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,三上義一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/06/01メディア: 単行購入: 7人 クリック: 176回この商品を含むブログ (65件) を見る 1980年代以降、急速に拡大する米国の所得格差について、書では、技術革新は、格差拡大の要因であるとする直接的証拠に乏しいとし、その主たる要因は、政治的、あるいは制度的なものであったと指摘します。これは、米国の格差が「人為的に」つくられたものであるということを、より強調する視点であるといえるでしょう。 ルーズヴェルト大統領の時代をはさみ、それ以前からの政治的ムーブメントを歴史的に捉えるなかで、ニューディール政策によってもたらされた「大圧縮の時代」と、それ以後の米国の中産階級にとっての恵まれた時代は、その時代の米国に

    ポール・クルーグマン「格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略」 - 備忘録
  • 大竹文雄「格差と希望 誰が損をしているのか?」 - 備忘録

    格差と希望―誰が損をしているか? 作者: 大竹文雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/06メディア: 単行購入: 3人 クリック: 76回この商品を含むブログ (37件) を見る ほぼ一貫した「原則」による時論集 このは、2005年から2007年にかけて、政治の世界では郵政選挙を経て小泉政権から安倍政権、福田政権へと移り変わる時代に、日経新聞「経済論壇から」、週刊東洋経済「経済を見る眼」などに掲載された時評を整理・再録したもので、それぞれに新たにコメントが付されている。時間軸に沿って読むことができるため、読み手は、その時代を思い出しながら考えをめぐらせることができる。それぞれのテーマごとに、経済学的な考え方や研究の紹介があるため、経済書的な読み方もできるが、自分はむしろよく整理された時論集として読むことができた。 これらの時評では、ときには経済学の範疇には入らないような言論

    大竹文雄「格差と希望 誰が損をしているのか?」 - 備忘録
  • これまでの経験則 - 備忘録

    とうとう、こういう時代が再びやってくることになりました。そういえば、春闘の山場も近づいてきましたね。 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090106AT1C0600K06012009.html 経済団体のいう「ワーク・シェアリング」=正社員の賃下げ 賃下げの時代、ふたたび。 ・・・・・・・・・・ なお、企業の賃上げ余力を示すグラフを、下に再掲します。ここにみられるように、原油価格の高騰などにともなう交易損失を含めて考えると、企業の賃上げ余力は、これまでも、それほど大きなものではなかったことがわかります。 (参考) 春闘と今後の日経済の行方

    これまでの経験則 - 備忘録
  • 今年の10冊 - 備忘録

    毎年の恒例行事です。これをもって、今年最後のエントリーとしよう・・・とも思いましたが、フィリップス・カーブが残っているので、もう少し続きます。なお、英語練習の方は、ひっそりと継続する予定です。 (過去のエントリー) 今年の10冊─2007年 今年の○冊─2006年 デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」 雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析 作者:デヴィッド マースデンNTT出版Amazon 12/14/08付けエントリー こののエントリーに比較的多くのブックマークをいただき、書いた甲斐があったと感じ入っております。 野村正實「日的雇用慣行 ─全体像構築の試み─」 日的雇用慣行―全体像構築の試み (MINERVA人文・社会科学叢書) 作者:野村 正實ミネルヴァ書房Amazon まだ最後まで読んでいませんが、今年一押しの書籍であることに間違い

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  • デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(1) - 備忘録

    雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析 作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る 周知の事実であるが、企業の人事管理制度や給与の仕組みは、国や社会によってさまざまなものがある。こうした多様性を充分に考慮しない提言や論考は、現実の社会において、その効率性や安定性を損なうことになることはいうまでもない。例えば、経済学の理論では、労働者が受け取る報酬は、その労働の限界生産力 によって決まってくる。実際には、賃金や価格には粘着性があり、労働者の受け取る報酬が限界生産力によって即時に調整されるわけではいないことは、その理論を扱っている経済学者を含めて誰もが知っている。しかし、そうしたことだけではなく、そもそも労働者

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