内戦下のシリアで、少数民族クルド人の軍事組織を主力とする連合部隊「シリア民主軍」(SDF)は17日、過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称してきた北部ラッカを制圧、解放した。SDFの報道担当が同日、朝日新聞に明らかにした。 イラク軍などは7月、ISが最大拠点としてきたイラク北部モスルを奪還。以降、国際社会の対IS掃討の焦点はラッカだった。ISは独自のイスラム教解釈に基づく疑似国家の「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家」の実現を目指したが、「国土」の大半は制圧され、今回「首都」も陥落。「国家」実現はついえたことになる。 SDF報道担当のムスタファ・バリ氏は朝日新聞の取材に、「ラッカ全域を制圧し、解放作戦は終了した」と説明。最後の3日間の戦闘で多数のIS戦闘員を殺害し、残党は降伏したという。幹線道路の地雷除去が終わり次第、正式に解放声明を出す予定という。 ラッカはISの前身組織が