フランス生まれのコモリは2011年の夏、プレミアリーグにデータを提供する大手企業の『Prozone』で働いていた知人に電話をして、ある頼みごとをした。単刀直入に「誰か紹介してくれ」と言ったのである。 コモリは当時、リヴァプールのディレクターを務め、クラブのデータ分析部を改善し拡張したいと思っていた。データを収集して解析するだけでなく、監督や選手にデータの意味を伝え、話し合う能力のある人物を探していたのである。 彼自身の言葉で言うと、「サッカー経験とデータ分析の経験が両方ともある人物」を必要としていたのだ。 コモリの知人というのが誰かはわからないが、リヴァプールはその人物に一杯おごる必要があるだろう。その人物を介してやってきたのがマイケル・エドワーズだった。当時はあまり知られていないアナリストで、ハリー・レドナップが率いていたトッテナムで少人数のチームの一人として働いていた。 コモリはエドワ