東京五輪が来年に迫るなか、五輪競技団体をめぐるスキャンダルが次々と噴出している。そのなかに、ヤクザとの関係が取り沙汰される内容も含まれている。ヤクザ事情に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏と、フリーライターの鈴木智彦氏が、競技団体とヤクザとの繋がりについて語り合った。 鈴木:東京五輪を控えて、五輪競技の団体トップとヤクザの関係が結構取り沙汰されています。たとえば日本ボクシング連盟の山根明・会長(当時)は、テレビで「暴力団幹部に引退しないと過去をばらすと脅迫を受けた」と発言して大問題になり、他の不正もあって辞任することになりました。が、ボクシングと暴力団との関係なんてあるのが当然という考えだったので、ようやく問題になったのかという感じでしたが。 溝口:住吉会なんかに多いんだけど、もともと愚連隊上がりの大卒ヤクザには、ボクシングをはじめ、空手、相撲なんかの格闘技をやっている者が多かった。ヤク