『公研』2023年8月号「私の生き方」 第76・77代衆議院議長 大島 理森 八戸の5月 ──1946年青森県八戸市尻内町のお生まれです。八戸の四季で真っ先に思い浮かぶ季節はいつでしょうか? 大島 夏ですね。ただし暑い夏ではなくて、寒い夏です。夏にオホーツクに高気圧が張り出すと、そこから三陸海岸に向かって「やませ」と呼ばれる冷たい風が吹き付くんです。やませが吹き続けると、稲穂が実らなくなり、冷害がもたらされることになる。八戸の歴史は、やませと戦ってきた歴史でもあるんです。江戸時代には何度も飢饉が起きているし、大正、昭和の時代になっても5、6年にいっぺんは、農家はこの偏東風に悩まされることになりました。1993年に全国的にお米の生産が激減したことがあったけど、あの時もやませが強く吹いたんです。だから季節のことを聞かれると、やませを思い浮かべます。 八戸で一番良い季節だと思うのは、5月の連休を