史上最悪の津波災害となったインドネシアのスマトラ島沖地震から26日で10年を迎える。想定外だったマグニチュード(M)9.1の巨大地震と大津波による未曽有の被害は、東日本大震災との共通点も多い。その教訓を改めて学びたい。(黒田悠希) ◇ 最大50メートル スマトラ島沖地震の巨大津波は、地震発生から30分以内に島北部を襲った。高さは最大約50メートル。2時間以内にタイやインドに到達し、インド洋全域に広がって死者は少なくとも計約23万人に達した。巨大地震は海溝沿いのプレート(岩板)境界で長大な断層が滑ることで起きた。仕組みは東日本大震災と同じだ。 スマトラ島の西方沖では、スンダ海溝がほぼ南北に弧を描くように延びている。ここでは陸側を乗せたユーラシアプレートの下に、インド・オーストラリアプレートが年間約5センチの速度で北北東に沈み込む。巨大地震は両プレートの境界に蓄積されたひずみが限界に達して発生