タグ

ブックマーク / honz.jp (127)

  • 『現代中国悪女列伝』 女の武器を使って何が悪いのさ - HONZ

    人間の欲望が丸出しになる政治のゴシップは東西を問わず人を惹きつける。権力闘争、飛び交う札束、そして、男女関係。書には、金欲と情欲が渦巻く世界を泳いだ現代中国を代表する10人の悪女が登場する。 元重慶市党委員会書記の薄熙来ので、夫の力を背景に蓄財をしながら、英国人の愛人を殺害した谷開来。枕営業で国民的人気歌手になりながら、政財界の秘密を知り過ぎてしまったからか現在行方不明の湯燦。もちろん、文革時代の悪女2人、毛沢東のの江青と林彪のの葉群も登場する。共通するのは女性を武器に男の鼻の下をべろべろに伸ばさせて、のし上がっていくところだ。 例えば、女性実業家の李薇。書では「魔性の熟女のチャイナドリーム」として取り上げられているが、のし上がり方が確かに凄い。ベトナムで生まれ、7歳で中国の雲南省に移住。27歳で最初の結婚をするが3年もたたずに離婚。「チャイナドリーム」が始まるのは33歳のとき。

    『現代中国悪女列伝』 女の武器を使って何が悪いのさ - HONZ
    kaos2009
    kaos2009 2013/12/10
  • 新刊ノンフィクションを選ぶ方法 「8月2日に買った本」 - HONZ

    東えりかさんが、HONZメンバーによる「8月のこれから読む」をまとめてくれている。 /3584 今回も面白そうなだらけで悔しかったので、これとは別にあらたなを仕入れたのである。予想してない反撃をされたHONZメンバーの悔しがる姿が目に浮かぶというものだ。愉快である。今回はなぜそのを選んだのかについて少し紹介してみよう。 『リーマン侍 江戸語の世渡り』はタイトルで買った。このタイトルは歌舞伎に馴染のある読者へのゴキブリホイホイだ。弁天小僧の台詞「しらざあ、言って、聞かせやしょう」で有名な、通称「白波五人男」という演目は「青砥稿花紅彩画」というふうに文字で書き、その読みは「あおとぞうし はなの にしきえ」なのだ。つまり歌舞伎の演目というのは体言止めで5-7、7-7というようなリズム刻むのだ。

    新刊ノンフィクションを選ぶ方法 「8月2日に買った本」 - HONZ
    kaos2009
    kaos2009 2013/12/02
  • 『エイズの起源』 注射・売春・ハイチ - HONZ

    「この程度の傷、たいしたことではない。」 男は、心の中でつぶやいた。チンパンジー狩りには困難がつきものだ。引っ掻かれ、噛みつかれるのには慣れている。今回の狩りがこれまでと違っていたのは、狩りの最中に負った傷にチンパンジーの返り血を浴びたことくらい。 「いつものことだ。」 男は再びつぶやき、いつものように家路を急いだ。 男の思いもよらないところで、この狩りは、いつものものとは2つの点で異なっていた。1つは、獲物となったチンパンジーがSIV(サル免疫不全ウイルス)に感染していたこと、もう1つは、返り血を浴びた男が種の壁を越えてSIVに感染したこと。この違いが、人類の運命を大きく変えた。そう、1921年に中部アフリカで行われたこの狩りこそ、中世ヨーロッパの黒死病以降、人類最大の「疫病」となったエイズの起源なのだ。 6,000万人以上に感染したHIV(ヒト免疫不全ウイルス)はこのように誕生した、か

    『エイズの起源』 注射・売春・ハイチ - HONZ
  • ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画 - HONZ

    みなさま、ご存知でしょうか? を愛する人間の中には、心中、ワイルドな(ヤマネコやネコ科大型獣)に憧れている者がいるということを。 そういう人たちは、ワイルドライフのドキュメンタリー番組で、草動物がネコ科大型獣に追いかけられている映像を見て、手に汗を握ってネコ科大型獣を応援してしまうのです。何を隠そう、実はわたしがそれなのです。 ある有名人が(誰だったか忘れてしまいましたが)、「トラが好きな人は、当はトラを撫でたいのだ」と言ったそうですが、わたしはまさにそれに当てはまります。 そんなわたしですから、『ニューヨーカー』誌の5月6日号に「リビングルーム・レオパード」と題する記事を見つけたときには、一も二もなく読み始めました。 その記事は、ワイルドな容姿を持つペット用のを作り出すために、ヤマネコとイエネコを交配し、生まれた子を販売しようとする人たちが取り上げられていました。 しかしヤ

    ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画 - HONZ
  • 食事中毒患者 『加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか』 ディードリ・バレット - HONZ

    採点:★★★★☆ 健康、ダイエットに関心のある人にはおススメ。人間にとっての「事」の意味を考える 「太る」「べ過ぎる」ことが如何に体に悪いかを様々なデータをこれでもかと畳み掛ける。書を読めば自身の生活を見直そうと考えない人は極少数だろう。しかし、実際に生活を変える人もまた極少数だろう。 自然選択説という言葉がある。 Wikipediaによる説明は以下の通り。 厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与えるという説。1859年にチャールズ・ダーウィンとアルフレッド・ウォレスによってはじめて体系化された。自然淘汰説(しぜんとうたせつ)ともいう 自然選択の結果最適化されているはずの我々(の多く)がなぜ太ってしまうのか? その答えは単純だ。自然淘汰や種の進化に要する時間のオーダーよりも圧倒的に短い期間で我々の生活が変わってしまったのだ。人類がアフリ

    食事中毒患者 『加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか』 ディードリ・バレット - HONZ
  • 『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』 新刊ちょい読み - HONZ

    世界は、人類が地球環境と調和しつつ平和で豊かな暮らしを続けるための現実的なエネルギー源として、原子力発電の利用拡大を進め始めていました。このような中で、東日大震災および福島第一原子力発電所の事故が起こりました。我が国は、事故終息に向け最大限の力を発揮しなければなりません。 (※東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻 「震災後の工学は何を目指すのか」の一節より) このような文章が「東大話法」の典型であると、いきなり切り捨てられている。まず、「世界は」と言うことによって責任関係を曖昧にしていること、そして「我が国は・・・しなければなりません」という一文に見られるような、自分たちが「国」を代表しているいう意識。この話法こそ間違いの元凶であるというのが、著者の主張だ。しかも、切り捨てているのが現役の東大教授であるというから面白い。 書では東大話法規則というのが全部で20個紹介されているのだ

    『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』 新刊ちょい読み - HONZ
  • 『江戸時代の天皇』 - HONZ

    昨今の「維新流行」はいったい何なのだろうか。政権交代からTPP、政治家の自己アピールまで、なにかと言えば平成維新だ、平成の開国だ、奇兵隊だ龍馬だと、幕末・維新期になぞらえる。江戸時代は由らしむべし、知らしむべからずの封建的・圧政的時代であり、「鎖国」によって激動する世界史の流れにも目を瞑った時代。それを打ち破ったのが明治維新であり、近代国家日の夜明け、日の青春であるという、いわば「維新史観」が厳然と根を張っていているらしい。だがそれは、維新になぞらえてしまえばもうそれ以上深く考える必要もないという、思考停止の作用を働かせてはいないだろうか。維新=善であると。言うまでもなく、維新とは政権を奪取した側が権力闘争と内戦の勝利を「御一新」と呼び、やがて「維新」と呼んだに過ぎず、そもそも善と悪という基準で判断するようなことではない。歴史の流れに「以前と以後」という断層を安易に設定してしまうことに

    『江戸時代の天皇』 - HONZ