はじめに Rust for Linux プロジェクトとは Rust for Linuxは、メモリ安全性に優れたプログラミング言語Rustを、Linuxカーネル内で使用できるようにする取り組みです。このプロジェクトは2020年頃から非公式な議論が始まり、2021年4月にMiguel Ojeda氏によって正式にLinuxカーネルメーリングリスト(LKML)に提案されました。 プロジェクトの主な目的は、メモリ関連のバグやセキュリティ脆弱性を減らすことです。Rustは「安全性」を設計原則とする言語であり、コンパイル時に多くのエラーを検出できるため、従来のC言語で発生しがちなバッファオーバーフローやダングリングポインタなどの問題を防ぐことができます。 重要なのは、Rust for Linuxの目標はカーネルの中核部分を書き換えることではなく、主にデバイスドライバなどの「葉」モジュールをRustで書け
