―今回取り上げさせていただく『大帝の剣』は、SFであり時代劇であり冒険活劇でもあり、とものすごいスケールを持つ、破天荒なストーリーとなっています。この作品の最初のアイデアはどのようなものだったのでしょうか。 夢枕 「時代劇はずっと書きたかったんですよ。ただ、26年前当時、普通に時代劇を書くのは自分の能力的に無理なんじゃないかと思ったんです。時代劇ってうるさい読者がたくさんいる世界なので、時代考証を間違えたりすると怒られるんじゃないか、とかね。 それならば、単なる時代劇ではなく、時代劇というスタイルを借りて、もっとぶっ飛んだ話にしようと思いました。そこで、時代劇の剣豪ものであったり、宮本武蔵であったり、シルクロードだったり、宇宙人だったり、自分の好きなものを全部詰め込んだんです。 ただ、当時はマンガなどでも、宇宙人のような異形のものと普通の人間が戦う時、人間側が不思議な力を手に入れて勝ってい