私とファンタジー その4 『ノンちゃん雲にのる』 (堀切リエ) ノンちゃん雲にのる・・・石井桃子を語る。 私とファンタジー4 『ノンちゃん雲に乗る』(石井桃子、光文社)堀切リエ その本は、裏の古本屋で父が買ってきて、いつのまにか私の本棚にありました。赤い表紙で手ごろな大きさの本でした。 小学校中学年のころでした。早く起きてしまう私は、日曜日の朝の読書が定番になり、寝坊している人たちを起こさずに、布団のなかで電気をつけたり、懐中電灯をもちこんで、ひっそりと読書を楽しんでいました。 くりかえし読んだ本の名は、『ノンちゃん雲に乗る』。それも、くりかえし、くりかえし15回以上読んだのではないかと思います。同じ作者の『山のトムさん』も、セット本のように10回くらいは読みかえしたかと思います。 子どもが、同じ本を何度も読みかえすという話はよく聞きますが、でも、どうして、2度や3度ではなく10回以上も