日本近代軍制の創始者 大村益次郎を中心に、維新回天の原動力となった若者たちを豪快に描いた青春群像劇「花神」。 前進座の名優 中村梅之助さんが、全身全霊で大村益次郎役に挑んだ当時を振り返る。 大村益次郎という人物にとても興味を持ち、どういう人間か知りたくて、1人で10日間、彼が歩いてきたところを全部歩いてきました。 最初に鹿児島に行きました。なぜかというと、四斤山砲があそこには残っている。益次郎は、西郷隆盛をちょっといじめましたからね。それから松山から宇和島へ、法華峠という峠を通って、宇和島では三角屋敷や御成橋跡を見て、ものすごく時代を肌で感じました。法華峠では、「ここで大村益次郎も休んだんだな」と思っていたら、あたりを眺めていたら、目の前に、匕首と果物が置いてあるんですよ。どういう意味なのか、不思議な感じがしました。 最後に陸軍病院の跡に行ったら碑があり、小学生が一生懸命その碑文を書き写