見慣れた道路に敷かれた鉄のレール。その上を次世代型路面電車(LRT)が行き来する。自動車と並んで走る姿が、宇都宮市と芳賀町の新たな名物となる。 全国初の全線新設によるLRT。総事業費は684億円で、国が半分の342億円を補助し、残りを市と町が負担、県は83億円を上限に支援する。地盤改良や安全対策の強化、建設需要の高まりなどで総事業費は当初予定より1・5倍に膨らみ、1キロ当たりの費用46億円で開業を迎える。 ◇ ◇ 地下鉄やモノレールよりは安価。だが、ゼロからの整備で初期投資は大きくなった。それでも、宇都宮市の佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「増税など市民に新たな負担はない」と強調する。 宇都宮市の財政力指数(2021年度)は0・98、芳賀町は1・03。全国平均の0・50を大きく上回り、ともに「財政は豊か」だ。例えば市は負担する282億円を20年間で返済する計画を立てている。1年当たりの返