牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショー(東京)のアルバイト店員が残業代の支払いを求めていた裁判が、会社側が全面的に否を認めて決着した。だが、会社は店員と「雇用契約がない」との主張を変えておらず、店員が加入する労働組合との団体交渉には応じていない。 訴えていたのは、仙台市の店舗で働く福島淳子さん(43)ら3人。残業代の割り増し分約百万円の支払いを求めて東京地裁に提訴していた。当初は争う姿勢だった会社側は8月下旬に原告の主張を全面的に認めた。 福島さんは2000年にアルバイトとして入社し、調理、接客、事務などを担当していた。深夜や休日も働いていたにもかかわらず、支払われていないとして、05年10月から06年10月までの割り増し分などを請求した。 8日に会見した福島さんは「裁判の結果は大変うれしい。だが、会社は団交のテーブルにつかない。従業員が安心して働ける環境にはほど遠い」と話した。