熊本県が撤去方針に再転換した県営荒瀬ダムをめぐり、県による住民説明会が20日夜、同県八代市坂本町であり、蒲島郁夫知事は、ダムの存続か撤去かで判断が揺れ動いたことについて「撤去の方向でかじを切ったが、坂本町のみなさんにはご迷惑をかけたと申し訳なく思っている」とわびた。3日に撤去方針を表明してから、知事が住民に直接陳謝したのは初めて。 蒲島知事は、2年後に撤去工事を始めるまでダムで発電事業を続ける方針を示し、水利権延長への同意を求めた。一方、住民らはただちに撤去にとりかかるよう求め、県の対応を批判した。 住民説明会は、ダム上流にある体育館で開かれ、地元の住民たちが参加した。 荒瀬ダムをめぐり、蒲島知事は2008年、前任の潮谷義子前知事が02年に決めていた撤去方針を、「費用がかかる」などの理由で存続方針へ転換した。だが、今年3月で期限切れを迎える水利権の延長に必要な地元漁協の同意を得ること