朝日新聞GLOBE｜Business Life 私の海外サバイバル[第15回] ヌアクショット（モーリタニア) 前野 浩太郎 （モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所研究員） ON 首都ヌアクショットから300キロほど南の砂漠で夕暮れに見つけたバッタ。体長7センチほどの雌の成虫。 photo：Maeno Koutaro 2年前に調査旅行で初めてモーリタニアに来ました。実験室でしか見たことがなかったサバクトビバッタがサハラ砂漠で飛び回っているのを見て、この地に戻って腰を据えようと決めました。 このバッタはふだん緑色や茶色なのに、集団でいると黒と黄色の混ざった状態に変身します。相変異と呼ばれる現象です。まだわかっていないその仕組みの謎を解き明かしたいと思っています。 バッタの群れが植物を食い尽くすと農業に大きな被害をもたらします。こちらでは農業省の大臣も参加するバッタ会議があり、バッタの発生調査チームの各地への派遣が大きなニュースです。自分の研究が、
