前回(7月13日付)、本欄で「内閣支持率を盾に論じる愚」を論じた。その責任において、12日付産経(大阪本社発行分)の本社・FNN(フジニュースネットワーク)合同世論調査記事に苦言を呈したい。5日付朝日が特集した過去の慰安婦問題報道の訂正について、「朝日検証報道、7割が不十分」と報じている。 朝日の検証については、すでに多くの論評がある。内容に問題があれば、事実を踏まえて論争を続ければよい。「世論は朝日にさらなる検証と自己責任を求めているといえそうだ」と記事で指摘するのは、空気の政治に棹(さお)さすだけではあるまいか。 そもそも回答者の大半が朝日の当該記事を読んでいない可能性が高く、この電話調査の意図はただ自らの主張の補強にすぎないように見える。世論の数をたのむ姿勢に、言論機関としての矜恃(きょうじ)の乏しさを感じた。 もちろん、「吉田清治証言」が虚言だとわかった段階で、朝日新聞社がすぐに記
![【新聞に喝!】流言を批判する新聞であるために 京都大学大学院教育学研究科准教授・佐藤卓己+(1/2ページ) - MSN産経ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f1cbd7a3230c93cd7fa3146ea845be3fada45515/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fsankei.jp.msn.com%2Fimages%2Fsns%2Fmsnsankeinews.jpg)