堺市が400億円以上をかけて、「環境に優しい」とされる次世代型路面電車(LRT)を市街地に通す計画を進めている。大阪市とつながる南北の鉄道路線しかない堺市にとって、“明治以来の悲願”である東西の路線ができれば「にぎわいが生まれる」というのだが、本当に巨額投資にみあう効果があるのか、住民からは疑問の声が出ている。 「良好な都市景観を形成し街のシンボルになります」「少しの努力でにぎわいが実現」「二酸化炭素の排出量は車の5分の1」――2月中旬、沿線の小学校で市が開いた説明会。市の担当者は、フランス・ニースの街を走るLRTの写真をスクリーンに映しながら利点を並べた。だが集まった約300人の住民からは疑問が相次いだ。 市が10年度中の開業を目指す南海高野線堺東駅―南海本線堺駅間(1・7キロ)は現在、南海バスがラッシュ時は4分に1本のシャトルバスを走らせている。市の計画ではLRTの停留場はバス