大阪市営地下鉄の民営化(2018年4月)に合わせ、90年の歴史があるバスも市営でなくなる。廃止される市交通局は、バス事業が抱える700億円近い負債のうち貸付金・出資金計約502億円の債権を放棄。残りも優良事業の地下鉄が負担して新会社に引き継がず、身ぎれいにして再出発する算段だが、人口減少などで都市部のバス事業の展望は見通せないのが実情だ。【岡崎大輔】 市営バスは1927年開業で総営業距離は441キロ(16年3月末)。民営化基本方針では市交通局が現在100%株を保有する大阪シティバス株式会社に全路線を譲渡し、地下鉄新会社と市が一定割合で株を保有する。