現代の米国におけるエリートの過剰生産については、最近もNoah Smithのエントリーやそれに対する反応を紹介している。この手の話題は明らかに米国でも注目を集めているようで、最近もまた新しいエントリーが書かれていた。ルンペンブルジョワジーと題した記事がそれだ。 冒頭で紹介されているのはノルウェーの映画The Worst Person In the Worldのワンシーンだ。映画の中に、1990年代風のアングラ・ポップカルチャーで有名になった中年のコミック作家がインタビューを受ける場面が出てくるという。だがこのインタビューはやがて異端審問と化していく。無礼で下品、卑猥で辛辣な作品で有名になった彼は、当初は知識人や左派にもてはやされた一方で、宗教的な保守派からは悪魔のごとく忌み嫌われていた、はずだった。ところが中年になったこの作家は、今度は左派から女性に関する性的な描写や男性の特権を利用してい