スイス連邦議会は間もなく、米国との間で結ばれる外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)政府間協定の批准を余儀なくされる。米国はこれを通じて、自国の納税者の口座情報を全面的に透明にする考えだ。そうなれば、スイスの銀行守秘義務は事実上終焉したも同然だ。 この数週間、スイスの銀行守秘義務は国際的に攻め立てられている。主要20カ国・地域(G20)は、自動的な租税情報の交換を世界レベルで迅速に導入するよう要請。これに対応する国際基準を経済協力開発機構(OECD)が数週間以内に発表することになった。欧州連合(EU)もまた、税の透明化に向けた交渉を加盟国やスイスなどとの間で2015年から開始する予定だ。 ルクセンブルク、オーストリア、そして欧州から遠く離れたシンガポールまで、銀行守秘義務の砦は今や次々に陥落している。スイスもおそらく今年中に白旗を掲げざるを得なくなるだろう。連邦議会が正念場を迎えるの