東京・池袋で平成31年、乗用車が暴走し母子2人が亡くなった事故では、実刑判決を受けた男に対し、会員制交流サイト(SNS)などで苛烈な批判が渦巻いた。判決では、こうした状況が「過度な社会的制裁」とされ、量刑が減軽される理由の一つとなり、遺族は「事故の教訓を伝える妨げになってしまった」と苦悩を打ち明けた。専門家は、SNSにより過剰な正義感からくる「私的制裁」が行われやすくなっている危険性を指摘する。 量刑減軽の理由に《上級国民爺さん》 《消えろ》 自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われて禁錮5年の実刑判決を受け、今月収監された旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三受刑者(90)に、SNSではこんな投稿が相次いだ。 事故後、任意捜査の末に在宅起訴された飯塚受刑者は、公判中は一貫して「ブレーキとアクセルの踏み間違いはなかった」として無罪を主張。批判は激化し、インターネット上だけでなく、受刑者