明日香村へ飛鳥鍋を食べに行った。その土地で古来から食されて来た牛乳の鍋である。 毎年冬になるとソワソワして、「飛鳥鍋を食べたいねぇ」なんて休日の何気ない会話が始まる。そして家人を乗せてビュンと車で走って食べに行くことになる。 その日は良く晴れていて、変な言い方だけど「飛鳥日和」だった。古墳群の向こうに高くて澄み渡った冬の青空が広がっている。 飛鳥鍋はまさに飛鳥時代、唐の渡来人から伝わった。「牛乳」と「鶏料理」が混ざって土着化し、今の姿になったらしい。要するに大陸から持ち込まれた新しい食文化だったとのこと。渡来人たちは生活を便利にする技術や、人を効率的に殺す武器づくりの技術だけでなく、美味しい料理という平和的な食文化もこの国に持ってきてくれた、ということになる。 この飛鳥鍋だが、牛乳のこってり感が鶏肉とよく合う。チーズと鶏肉の相性がぴったりなことを考えると、当たり前と言えば当たり前だけど、ダ