井上靖が大切にしていた陶芸家、河井寛次郎作の茶碗を手にする学芸員の佐藤史倫さん=旭川市の井上靖記念館で2022年4月26日、土屋信明撮影 「氷壁」「あすなろ物語」などで知られる作家の井上靖(1907~91年)が北海道旭川市で生まれたことは、一般にはあまり知られていない。 「開村100年」に当たる1990年に旭川を訪れた井上は講演会で「私は17歳のこの町で生まれ、いま、100歳のこの町を歩いている。何もかも、大きく変わったが、ただ一つ、変わらないものがあるとすれば、それは、雪をかぶったナナカマドの赤い実のランプ!」と自作の詩を朗読した。その3年後の93年、同市は井上靖記念館を開館した。 「軍医の父親が旭川に赴任していた関係で、井上は旭川で生まれました。1年後に伊豆に移ったため、旭川のことを覚えていないはずですが、晩年の井上は一斉に花が咲く5月の旭川に特別な思い入れがあったようです」と話すのは
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