昨秋、国立歴史民俗博物館で開催された「性差の日本史」展が大きな反響を呼んだ。ジェンダーという観点から、歴史の新たな側面を照らす展示となった。歴史学という学問の世界そのものもジェンダーバイアスと無縁ではない――。(「月刊サイゾー」2021年9月号より転載) 国立歴史民俗博物館で開催された「性差(ジェンダー)の日本史」展の様子。「歴史は勝者によって書かれる」──作家ジョージ・オーウェルが述べた、よく知られた箴言だ。「歴史は強者によって書かれる」と言い換えることもできるだろう。時代時代で権力を握り、政治や経済、社会を動かした人物たちを中心に語られるもの。それが大文字の歴史だ。 日本で歴史が語られるとき、表舞台に立つのは大半が男性である。日本史の教科書に載っていた肖像画や写真を思い出せば、ほとんどが男性だったはずだ。女性やセクシャル・マイノリティなど、社会の権力構造における弱者の視点から歴史が語ら
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