東京大の卒業式が25日、東京都文京区本郷の東大安田講堂で行われ、卒業生2983人に学位が授与された。東大生の進路でまず思い浮かぶのは「霞が関」の官僚だが、最近は外資系企業などに人気が集まり、「東大-官僚」というエリートコースを望まない学生が増えているという。 人事院によると、今春採用の国家公務員のうち、1種試験(行政・法律・経済区分)で合格し、内定を得た「キャリア官僚」予定者は322人。このうち、大学院修了や既卒、中退等を含め東大出身者が153人と半数近くを占めており、出身大学別では断トツだ。 しかし、井上正仁・法学部長は「『官僚バッシング』が影響して、東大生が官僚を目指さなくなっている。優秀な人材こそ、国を支えてほしいのだが」と嘆く。かつてキャリアを目標にした成績優秀者が、より多様な道を選ぶようになったという。 公務員になった東大生は、03年春卒業が305人だったのに対し、昨春卒は260