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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (9)

  • 朝鮮半島危機の現状下、日本は政局に走っている場合ではない

    北朝鮮の核開発問題の解決に向けて南北、米朝の首脳会談へと動き出したこの局面で、日は一瞬たりとも外交上の判断に遅れがあってはならない> 森友問題への安倍政権の対応は稚拙でした。第一次安倍政権の「格差よりイデオロギーを優先した」イメージが失速の元凶となったように、今回も「イデオロギーの同志と思って」いた籠池夫に騙されたり、問題への批判に居直ったりしたのですから、「イデオロギーの罠」にハマったのは否定できません。こういうことを繰り返すというのは良くありません。 ですが、朝鮮半島情勢が緊迫している現在、政局のゲーム感覚を楽しむ余裕はないと思います。首相夫人の国会招致とか、首相経験者の麻生財務相に辞任を迫るとか、そんな紙芝居のような「劇場」をやっているヒマはないのです。 もちろんいくらトランプ大統領が、「米朝首脳会談に応じる」と発表したからと言って、当に会談が実現するかどうかは不確定です。で

    朝鮮半島危機の現状下、日本は政局に走っている場合ではない
  • 小田急線火災の本当の問題は、燃えた車両の屋根より地上の避難体制

    <小田急線火災では車両に火が燃え移ったことより、その後の避難体制をどう確立するかの方が大きな課題> 今週10日(日)に小田急線「参宮橋~南新宿」間で、新宿行き各駅停車(3000形3次車、8両編成)が、線路脇のボクシングジムで火災が起きているにも関わらず、火災現場に8分間も停車する事態が発生しました。その結果、7号車(新宿寄りから2両目)の屋根に火災が燃え移っています。 この火災ですが、現場の周辺住民による動画などが複数撮影され、なかには車両の屋根が赤い炎を上げている映像などもあることから、報道各社はこの動画を繰り返し放送しました。 こうした事態を受けて小田急電鉄は、喜多見車両基地に回送された車両を報道陣に公開しています。その際に小田急は、「車内には何の変化もなかった」ことを情報公開していたようですが、取材映像としてはやはり「黒焦げになった屋根」に注目が集まることになりました。 この事態が一

    小田急線火災の本当の問題は、燃えた車両の屋根より地上の避難体制
  • 「同一労働・同一賃金」はどうして難しいのか?

    同じ仕事をしたら同じ賃金をもらう、これは極めて当たり前のことのように思えます。事実、欧州では多くの専門職の仕事が「ワークシェアリング」の対象とされており、フルタイムの人も、パートタイムの人も時給換算では同じ賃金をもらっています。 私の住むアメリカでは、そこまで一般的ではありませんが、例えば子育て中の世代などで、時給制弁護士、時給制医師といったものがあります。来は年収1800万の小児科医が、一時期だけ勤務時間を半分にしている場合には、年収は900万になるわけです。 アメリカの場合は、「ワークシェアリング」はまだ少ないのですが、同一労働・同一賃金という原則は極めて厳格に守られています。これに違反すると巨大な訴訟リスクを抱えることになるからです。そのために、「賃金の違う人は、相手の業務を奪ってはならない」ということも徹底しています。 例えば、学校で床の清掃をするのはジャニターという職種ですが、

    「同一労働・同一賃金」はどうして難しいのか?
  • 特定秘密保護法案、絶叫ではなく議論が必要なら、その中身は?

    自民党の石破幹事長の発言には落胆させられました。特定秘密保護法案について、絶叫口調の反対はダメで、相互に理解者を増やすような議論が大事だという指摘それ自体は正しいのです。明らかに政権与党と世論との間に乖離があり、相互に理解を詰めなくては社会的な合意は形成されないという事実を指摘した点では、現状認識としては正当だと思います。 問題は、石破幹事長自身がその「理解者を増やすような議論」を全く展開していないということです。これは大変な自己矛盾であり、民主主義の原則に反する行為だと言えるでしょう。 ちなみに、この発言(実際はブログのコメント)に関して、比喩が不適切だという批判があり、幹事長が最終的に文言の訂正に応ずるというような「手続き」がありました。ですが、これ自体は「法案に関する中身のある議論」とは全く別のものであり、そうした「言葉尻をとらえる側」も「言葉尻をとらえられても仕方のないくだらない比

  • 特定秘密保護法案をめぐる議論、3つの疑問とは?

    この問題ですが、政府が秘密を守ろうとする、あるいは秘密の漏洩に関する罰則を強化したくなるというのは、政府の立場からは理にかなっている部分があります。だから良いというわけではありませんが、複雑化した現代の国際社会にあって「世論の合意を取るのが面倒だから公開しない」とか「相手のある(交渉相手やテロリストなどの)話については手の内を見せたくない」という動機を持つことそれ自体は理解ができます。特に後者に関しては、実務的に考えても秘密扱いをゼロにはできないでしょう。 問題は、この法案を巡る議論の周辺にあると思います。3点ほど、深刻な疑問を感じます。 1つ目は、報道の自由を守るべき報道機関に対して、世論が冷淡だということです。 報道機関に対する冷淡な態度として、例えば、保守的な若い層には「マスコミ」のことを「マスゴミ」だと言って揶揄することが流行しました。国家に自己を投影した立場からは、国家への批判者

    kazutaka_ueyama
    kazutaka_ueyama 2013/11/30
    マスコミへの不信感/PC遠隔操作事件の時(それ以外も)とか連中の悪乗りひどかったですしねえ実際。「今の」マスコミ対政府という構図では近親憎悪にしか見えないんじゃないかとは
  • 政府はどうして「秘密」を持ちたがるのか?

    特定秘密保護法案は、具体的な内容が迷走しているようですが、それでも安倍政権は来週にかけて可決したいようです。私は、こうした状況では止めておいたほうが良いと思うのですが、それは、今回の法案の迷走という事態そのものが「秘密」の発生する原因と、「秘密」を作ることの弊害を示しているからです。 どうして法案は迷走しているのでしょうか? それは政府自体が、どの程度の法案であれば世論の批判に耐えうるか、長い歴史的な批判に耐えうるか、そして実務上の運用に耐えうるかが良く分かっていないからだと思います。問題は、その「分かっていない」部分、つまり具体的な問題点を詳細に開示して、オープンで緻密な議論の環境を政府が提供できないというところにあります。 ですから、野党なりメディアが色々と批判しても、まともな回答ができないわけです。要するに事態の把握と、対処の具体策に関して全体と部分が掌握できていないわけです。 政府

  • 「ディーゼル特急を守れ」、JR北海道のギリギリの闘い

    ここニュージャージー州をはじめ、ニューヨークからマサチューセッツなどの米国北東部では、夏というのは道路工事の季節です。あちこちで、路面をはがして再舗装する作業が続いています。というのも、12月から1月には大雪が降ったり、気温が摂氏で氷点下10度を下回る中で、路面が凍結を繰り返す中で数年で舗装がガタガタになってしまうからです。 そうした工事区間を通りながら、私はJR北海道のことを考えていました。実はJR北海道が現在置かれている苦境というのは、ここ米国東北部のガタガタの路面と、ある意味で重なるものがあるからです。 そのJR北海道の特急列車では、ここ数年、発煙や発火の事故が多数発生していることから、11月にはダイヤ改正を行って、特急の最高速度を時速130キロから110キロに減速するという発表がされました。 日の鉄道技術、特に安全対策は世界最高水準であるのに、どうして北海道だけ事故が頻発するので

    kazutaka_ueyama
    kazutaka_ueyama 2013/09/05
    「どうして機関車による客車の牽引ではダメなのかというと、速度を出せないからです。」
  • 「ジョブ型雇用」が成立するための3つの条件とは?

    当初は「限定正社員」と言われていたものが、最近では「ジョブ型雇用」という呼称になってきているようです。確かに職務要件を明確にするという設計にするのはいい事だと思うのですが、非正規では不安定なので正社員にするが、管理職候補からは外して処遇も一段下げるし、解雇も柔軟にするという「現状の延長」のイメージで語られているのは、余りに安易だと思います。 まず重要なのは第1の条件「雇用と教育の連動」です。職業高校、専修学校、あるいは4年制の大学、あるいは何らかの職業訓練プログラムを「あるジョブの専攻」で卒業すれば、そこで習ったことが、そのまま「即戦力のスキル」になるというシステムが回って行かなくてはなりません。 言うのは簡単ですが、日では理系の一部と、国家資格を要求する高度専門職「以外」では「現在は、教育と雇用の連動は機能していない」のです。その「連動」を改めて1つ1つ作り上げてゆくこと、「ジョブ型雇

  • 「夜も眠れない」青函トンネルの新幹線通過問題

    別に騒音で眠れないのではありません。その昔、夫婦漫才の春日三球・照代さんが「地下鉄が新しくできるときに、車両をどうやって入れるのかを考えると夜も眠れない」というネタで有名になりましたが、この問題はそれ以上に複雑だからです。 私はアメリカに住んでいるのですが、そのためもあって日の鉄道システムへの愛着の念は並々ならぬものがあり、不肖ながら鉄道評論というものに手を染めております。とは言っても「消えゆく車両に別れを惜しむ」的なセンチメンタルな趣味はあまりなく、鉄道模型や鉄道写真に凝っているわけでもありません。 ですが「鉄屋」であることは間違いなく、あえてカテゴリを分ければ「安鉄(アンテツ)」つまり、鉄道の安全技術が主要な関心分野です。その方面に関しては、JRなどの専門家からも評価をいただいていますが、何と言っても変化する日の社会経済情勢の下で「鉄道を守り、鉄道の安全技術を磨く」という問題を追い

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