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ブックマーク / honz.jp (31)

  • 『評伝クリスチャン・ラッセン』なぜ日本で人気なのか - HONZ

    まだ学生だった頃の話である。その日、山手線のある駅で待ちぼうけをっていた。ふと周りをみるとギャラリーがある。ガラス張りで見通しがきくし、これなら待ち人と行き違うこともなさそうだ。それに暇つぶしに絵画鑑賞なんてしゃれてるじゃないか。そう考えて足を踏み入れたのが間違いだった。 入ると、若い女性が満面の笑みで寄ってきて絵の説明をはじめた。熱心だなと好印象を抱いたが、途中からやけにボディタッチが多いのが気になった。そのうち話がおかしな方向に向かっていることに気づいた。彼女は作品の解説をしていたのではなかった。売りつけようとしていたのだ。 いくら断っても彼女は一歩も引かない。お金がないと言えば、48回払いをすすめられ、待ち合わせ中だと言えば、ぜひお友だちもご一緒にとぐいぐい迫ってくる。結局どう振り切ったか覚えていないのだが、なんとか難を逃れた。 あの時、あやうく売りつけられそうになったのが、クリス

    『評伝クリスチャン・ラッセン』なぜ日本で人気なのか - HONZ
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    kazutox 2024/04/21
  • ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! - HONZ

    ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! 英語圏ではすでにして評価の高い、ジューディア・パールの大著『因果推論の科学--「なぜ?」の問いにどう答えるか』(原題はThe Book of Why)が、ついに翻訳刊行された。実は私は原書を読みかけて挫折していたのだが、このたび邦訳が出たのを機に、ついに読み通すことができた。そして、書を読み通したことで得たものは大きい。 ジューディア・パールは、人工知能への確率論的アプローチの導入と、ベイジアンネットワークの開発により世界的名声を確立し、「人工知能分野の巨人」とも呼ばれる人物である。ベイジアンネットワークなんて初めて聞くという人もいるかもしれない。人口知能研究の歴史という観点からざっくりその位置づけを説明すると、かつてAI研究は、「エキスパートシステム」と呼ばれるアプローチを採ってい

    ジューディア・パール『因果推論の科学』を読む:統計を、AIを、そして科学について考える人は、ぜひ一読を! - HONZ
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    kazutox 2022/10/23
    評者青木薫
  • 『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ

    書のプロローグは、「青森のりんごの形が良いのは、季節ごとに、こまめに手当てをするからだ」という、青森在住のわたしにとっては、不意を突かれる一文ではじまります。 なぜ、アルツハイマーので、青森のりんごなのか? その理由はすぐにわかりました。青森には、家族性アルツハイマーの大きな一族があるというのです。長身で美男美女の多いその一族は、おそらくは結婚相手に困ることはなかったのでしょう、よく繁栄したといいます。しかしどういうわけか、四十代、五十代になると、おかしなことが起こる。二戸陽子さん(仮名だそうです)の身にも、それが起こります。四十歳になる頃からりんごの作業ができなくなり、やがて、りんごの収穫期に、りんごの実ではなく、葉っぱを摘んで持ち帰るようになる。すると一族の人たちは、こうささやきあったそうです。「これはまきがきたのかもしれない」 ここでわたしはまたしても、ドキッとしました。「まき」

    『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ
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    kazutox 2021/01/10
    評者は青木薫氏
  • 『わたしは哺乳類です』母乳から知能まで、進化の鍵はなにか - HONZ

    精巣が体外に出たわけ 「オギャー」と産声をあげて母乳を求めたことなどとんと思い出せないように、わ たしたちは自分が哺乳類であることも日頃すっかり忘れている。でも、紛れもなく 哺乳類の一員で、だからこそ人生は“哺乳類生”でもあるのだ。わたしたちの生命 の大きなサイクルは、そのまま哺乳類のスタイルに深く根ざしている。 それなのに、わたしたちは哺乳類が「どこから来て、どのように今の姿になったの か」、その“進化の鍵”をまだ解き明かしてはいない。書は最新の知見を盛り込 みながら、こうした謎に挑んでいく。 著者はサイエンスライターにして、神経生物学の博士号を持ち、ロンドン大学ユニ バーシティ・カレッジとコロンビア大学で12年間も哺乳類の脳などの研究に携わっ てきた。うってつけの名ガイドだが、私的な体験(子どもの誕生、サッカーのゴー ルキーパー、森の思い出など)もまじえることで、親しみやすく楽しい読

    『わたしは哺乳類です』母乳から知能まで、進化の鍵はなにか - HONZ
  • 『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』現実と幻想とが混在してきた歴史 - HONZ

    世界ナンバーワンの超大国の米国で、なぜトランプ大統領が誕生したのか。 書は、新世界を信じた夢想家たちとその末裔が創り上げた米国という「ファンタジーランド(おとぎの国)」の今日に至る500年の長い道のりを、他に類を見ない説得力をもって論じた、全米話題のベストセラーである。 書で示されている米国の実態は衝撃的である。 例えば、米国人の3分の2が「天使や悪魔がこの世界で暗躍している」と信じていて、半数以上が「人格を持った神が天国を支配している」と信じている。 それ以外にも、「地球温暖化はでっち上げられた嘘である」「宇宙人はすでに地球を訪れている」と信じる者が米国人の3分の1、「政府は国民に対してマインドコントロールの電波を送っている」「9.11(米同時多発テロ)には米当局が関与している」と信じる者が5分の1もいる。 なぜこんなことになってしまったのか──。この問いに簡潔に答えるなら、それは彼

    『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』現実と幻想とが混在してきた歴史 - HONZ
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    kazutox 2020/03/13
    2017年に抜粋を読んだ https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2017/09/how-america-lost-its-mind/534231/ 日本語訳が出てたとは
  • 医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』 - HONZ

    徳田虎雄。その名を聞いたとき、どのようなイメージが思い浮かぶだろう。医療に風穴をあけた風雲児、潤沢な資金をバックにした金権政治家、あるいは、難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う患者だろうか。それは世代や立場によって大きく異なってくるに違いない。いや、そもそも若い人には、その名さえ知られていないかもしれない。 まったくの徒手空拳から、昭和48年、大阪の松原市に建設した徳田病院を皮切りに、徳洲会病院を全国に開院。「徳洲会事件」によりすでに経営者の座を追われたといえ、71の病院と約3万人の職員を擁し、グループ全体で4,200億円もの売上げを誇る、日最大にして世界屈指の病院グループの礎を築いたのが徳田虎雄だ。 その一代記であるこの、面白くないはずがない。まずは冒頭のシーンで度肝を抜かれる。医療界の話のはずなのに、山口組傘下のヤクザ-警察がいうところの暴力団-の「事始め」の儀式から始まるのだ

    医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』 - HONZ
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    kazutox 2020/01/11
  • 『プリンシピア 自然哲学の数学的原理』世界の大古典は、案外簡単に読めるもの - HONZ

    科学者ニュートンはだれでも知っているが、彼の著作を読んだ人はめったにいない。その理由は、300年以上も前に書かれた分厚いで、内容が数学だらけで、翻訳してもとても読めたものではない、と信じられているからだ。 しかし、それは間違っている。このたび理工書の老舗、講談社ブルーバックスから日語版(全3巻)が刊行され、何と意外に読めるのである。そこで「科学の伝道師」を標榜する地球科学者が、文系読者の視点で読み解いてみよう。 現代は科学技術なしに語ることができないが、その基礎を作った物理学者がアイザック・ニュートン(1642~1727)だ。1687年に刊行された『プリンシピア 自然哲学の数学的原理』(Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica)にそのエッセンスが書かれており、世界中で『プリンシピア』もしくは『プリンキピア』(Principia)と略称されて

    『プリンシピア 自然哲学の数学的原理』世界の大古典は、案外簡単に読めるもの - HONZ
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ

    京都の若い女性からの切実な願い 1995年5月初旬のことです。ユニークな内容が書かれた一通の手書きの依頼文が、『探偵!ナイトスクープ』に寄せられました。そのころはまだパソコンが普及していませんでしたから、依頼は必ず、はがきか手紙で寄せられました。 手紙をくれたのは、京都市内に住む24歳の女子学生でした。地元京都で学生になる前に、東京で働いていた時期があったようです。この依頼はまさにこののテーマ、なんと「女陰」の名称の全国方言分布図を作成してほしいと求める内容だったのです。こんなお願いが、若い女性から、しかも大真面目な文章で寄せられてくるとは、夢にも思っていませんでした。 私たちに依頼文が届いたのは、1991年5月24日に「全国アホ・バカ分布図の完成」編を放送してから、ちょうど4年が経ったころでした。この放送をきっかけに、私が「アホ・バカ方言」の研究を仕事の合間に始め、『全国アホ・バカ分布

    【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ
  • 『交雑する人類』 古代DNAが世界史を書き換える! - HONZ

    ゲノム革命は我々の想像を超える速度で進行している。ワトソンとクリックが生命のセントラルドグマを解き明かしてからわずか半世紀と少しの間に、PCRやCRISPR−Cas9などの革新的な技術が次々と開発され、SFの世界にしか存在しないと思われたような成果を次々と現実のものとしている。遺伝子共有サイトのデータが迷宮入りしていた凶悪犯罪の犯人を追い詰めたという事例にも見られるように、その影響は多岐にわたり、私たちの生活のあらゆる面を大きく変える力を持つ。 中でも2009年以降に急速に発展した古代DNAの全ゲノム研究の発展は特筆に値する。この分野はマックス・プランク進化人類学研究所のスヴァンテ・ペーボによって確立され、ネアンデルタール人と現生人類の直接の祖先が交配していたことを明らかにした。だが、古代DNA解析が明らかにするのは、単に各種旧人類とホモ・サピエンスとの交雑の有無だけではない。古代DNA革

    『交雑する人類』 古代DNAが世界史を書き換える! - HONZ
  • 『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ

    「ありそうもないこと、稀有なこと、不可思議なこと、奇跡的なこと」。生物地理学者のギャレス・ネルソンはかつてそんな言葉でそれを嘲笑したという。だが実際には、どうやらそれは生物の歴史において何度も生じていたようだ。それというのは、生物たちによる長距離に及ぶ「海越え」である。 書が挑んでいる問題は、世界における生物の不連続分布である。世界地図と各地に生息する生物を思い浮かべてほしい。大西洋を挟んで、サルはアフリカ大陸にも、南アメリカ大陸にも生息している。また、「走鳥類」と呼ばれる飛べない鳥たちは、南半球の4つの隔たった地域に分布している。さらに、ガータースネークはメキシコ土で見られるが、そこから海で隔てられたバハカリフォルニア半島の南部にも生息している。 そのように、系統的に近しい多くの生物が、海などの障壁で隔てられた、遠く離れた地域に生息している。しかしそうだとしたら、彼らはいったいどうや

    『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ
  • 『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ

    水・金・地・火・木・土・天・海・冥。かつてそう教えられた太陽系惑星のなかから、2006年に冥王星が除外されたことは記憶に新しい。だがじつは、19世紀後半にはそれら惑星候補のなかにもうひとつ別の名前が挙げられていた。書の主役は、その幻の惑星たる「ヴァルカン」である。 ヴァルカンはその生い立ちからして冥王星とは異なっている。というのも、そもそもそんな星は存在すらしていなかったからだ。では、存在しないものがいかにして「発見」され、そして最終的に葬り去られることになったのか。書は、その誕生前夜から臨終までを、関係する天文学者や物理学者にスポットを当てながら、ドラマ仕立てに描いていく。 ストーリーは、17世紀後半、ニュートン力学の登場から始まる。周知のように、その偉大なる体系は、惑星の運動を含む広範な現象の統一的説明を可能にした。いや、説明だけではない。驚くべきことに、その体系は未知の現象に対す

    『幻の惑星ヴァルカン』 それはいかにして「発見」され、いかにして葬り去られたのか - HONZ
  • 新装復刊『大気を変える錬金術』 世界を変えた化学 - HONZ

    歴史上もっとも人口の増加に貢献した科学的発明は何か?それは、多くの病気から命を救った医薬品でも、世界中のあらゆる地域へ人類を移動させた航海技術でも、機械化による効率化をもたらした産業革命でもない。もちろん、これらの発明も多くの命を支えており、現代生活に欠かせないものではあるが、その発明のおかげでこの世に存在している人命の数では、ハーバー・ボッシュ法には及ばない。この「空気をパンに変える」技術であるハーバー・ボッシュ法がなければ、地球の人口は現在の70億超の半数程度が限界だったはずだ。 このは、化学史上最大の発明と呼ばれるハーバー・ボッシュ法がどのように生み出されたか、2度の大戦に見舞われた20世紀前半の世界で化学がどのような役割を果たしたかを、世紀の発明をもたらした2人の天才フリッツ・ハーバーとカール・ボッシュの人生を軸として描き出す。特にハーバーの人生には、1人の人間が一生の間に経験可

    新装復刊『大気を変える錬金術』 世界を変えた化学 - HONZ
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    kazutox 2017/09/23
    ハーバー・ボッシュ法
  • 『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却 - HONZ

    「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」。ずいぶん挑戦的な問いかけであるが、書の内容もそれに負けず劣らず挑戦的である。 フランス・ドゥ・ヴァールは、ベストセラー『チンパンジーの政治学』といった著書もある、世界的に著名な霊長類学者である。そんな彼が書で試みていることはおもにふたつある。ひとつは、彼の提唱する「進化認知学」というアプローチを明らかにすること。そしてもうひとつは、「唯一無二の人間」という見方(ないし偏見)を克服することだ。 第一の点について、象徴的なエピソードから始めよう。テナガザルは樹上性の小型類人猿で、ヒトや大型類人猿とも近縁な存在である。だがそんなテナガザルが、かつて行われた認知テストで意外なほど成績がわるかった。そのテストとは、棒を拾い上げてべ物を引き寄せるという一見単純なものである。では、そんなテストでさえうまくパスできないのだから、テナガザルは「愚か」だというこ

    『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却 - HONZ
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    kazutox 2017/08/31
    フランス・ド・ヴァール
  • 科学の最重要未解決問題『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』 - HONZ

    「意識のハードプロブレム」とは何かご存知だろうか。端的に言うと「物質である脳が、どのようにして非物質である意識体験を生み出しているのか」という脳科学の未解決問題のことだ。哲学者のデイヴィッド・チャルマーズによって1994年に提唱され、それまで神経科学的な分析によって意識に関する謎はすべて解けたと考えていた研究者たちに大きな衝撃を与えた。 彼らが解決済みだと考えていたのは、あくまで「脳内で情報がどのように処理されているか」という機能的な問題だけであり、「意識はなぜどのように生じるのか」というもっとも根的な問題は、実は手つかずのままだった。いや、科学者たちはあえて目を背けていた、というのが正しいかもしれない。 意識の科学的な起源に関する問いは300年以上をさかのぼり、18世紀初頭ライプニッツは次のように述べている。 視覚や聴覚などの感覚意識(中略)が、どのような力学的な仕組みから形成されるの

    科学の最重要未解決問題『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』 - HONZ
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    kazutox 2017/05/12
    2015年、ジュリオ・トノーニ Giulio Tononi
  • 『中南米野球はなぜ強いのか』中南米諸国の取材を通して浮かび上がる、日本野球の欠点 - HONZ

    待ちに待ったプロ野球が今年も開幕した。生まれて初めてプロ野球選手を間近で見たときの興奮はいまでもおぼえている。季節は春。小学生だったぼくは、新大分球場の外野の芝生席で、ある選手の一挙手一投足に目を奪われていた。目の前のフェンスには、その選手のウインドブレーカーがかけられていた。 やがて彼がこちらにやってきた。すごいオーラだ。「いい汗かいちょるね!」と横にいたおっさんファンが声をかけると、その選手はニカッと笑ってこう言ったのだ。「この汗が銭になるんや」 純朴な野球少年は、そのひと言に一発でしびれてしまった。その選手の名は、通算317勝を誇る名投手・鈴木啓示。もちろんその時もらったサインに添えられていた言葉は、「草魂」だ。いまから35年以上前の話である。 あの頃の選手は、どこか浪花節が似合う風情だったが、いまではずいぶん様変わりした。2月にキャンプ地を取材した際、何人かWBCに出る選手にお目に

    『中南米野球はなぜ強いのか』中南米諸国の取材を通して浮かび上がる、日本野球の欠点 - HONZ
  • 『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 - HONZ

    ニワトリ無くして、人類無し! もし世界からニワトリが消えたなら? きっと各地でパニックが起きるに違いない。鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量が急増しており、とりわけ新興国・途上国での需要がぐんと伸びている。安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民の健康を陰で支えてきた。 その膨大な加工品も含めて、人類にとってますます不可欠な材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっている。 もし私たちが他の惑星へ移住する時がきたならば、最も重要なタンパク源としてニワトリをまず同行させるだろう。実際、NASAはニワトリが惑星間旅行に耐えられるかどうかの実験をしており、可能と結論づけている。 材だけではない。インフルエンザの世界的流行をい止めるのにも、ニワトリは重要な役割を担っている。インフルエンザワクチンを作る入れ物として、卵が使われているのだ。 「宇宙船よりも複雑な構造」を持つ卵

    『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 - HONZ
  • 【映画】『最後の1本 〜ペニス博物館の珍コレクション〜 』まさに珍作、こいつは1本取られた! - HONZ

    大自然に囲まれた北欧・アイスランドには、世界で唯一と言われる博物館が存在する。驚くことなかれ、それはなんと哺乳類のペニスだけをチン列した「ペニス博物館」なのだ。 豚、馬、羊、トナカイ、ホッキョクグマ、セイウチ、アザラシ、クジラ、シャチ、イルカ、キツネ、ミンク、ハツカネズミ、クマネズミ、ドブネズミ…。そこには、ありとあらゆる哺乳類のペニスが一堂に会す。

    【映画】『最後の1本 〜ペニス博物館の珍コレクション〜 』まさに珍作、こいつは1本取られた! - HONZ
  • 『ダーウィンの覗き穴 性的器官はいかに進化したか』 - HONZ

    ペニスを勃起させた雄ガモたちが、一羽の雌ガモのまわりに群がってくる。どの雄も交尾しようと必死だ。ついに一羽がペニスを強引に挿入する。しかし── 。 「私の生殖器の構造は、ねじくれたトンネル。迷路よ。雄の生殖器をさえぎれる。相手を迷わせることができるの。だますことができる。でも好きな相手なら── 」 雌ガモは一羽の雄ガモに自ら膣口を差し出す。 「私の夫になってちょうだい。もう少し右。もう少し左。そこよ。そこに卵子がある。ああ、あなたが子どもの父親 」 書の「まえがき」で、さまざまな動物の性交を扱って人気を博した作品として短篇映像シリーズ《グリーン・ポルノ》が挙げられているが、上に記したのはそのエピソードの一つである。 雄ガモは紙でつくられた偽物、雌ガモはベテラン女優のイザベラ・ロッセリーニがコスチューム姿で演じている(日語版の吹き替えは藤原紀香)。雄ガモがペニスを挿入すると、画面は雌ガモ

    『ダーウィンの覗き穴 性的器官はいかに進化したか』 - HONZ
  • 家の前に大きなピレネー犬が倒れていた! さあどうする?『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』 - HONZ

    朝、会社に行こうと玄関のドアを開けたら、大きなピレネー犬が倒れていた。大変だ、病院に運ばなきゃ! でも、こんな大型犬、どうやって持てばいいの?? 大ピーンチ!! ……って、「普通じゃ~ん」と思ったあなた、い~えいえ違うのです。これは互いの腰に負担をかけず、犬が暴れてもキックされにくく、万が一、落としても着地の危険が少ない、という、じつに考え尽くされた持ち方なのだ。 これで、通りかかった配達のお兄さんから台車を強奪する必要もなくなった。当によかった、このがあって!! と、若干妄想が入りましたが、書は身近なペットから危険生物まで、獣医さんやペットショップのオーナーさんなどその道のプロが「正しい持ち方」を写真で伝授してくれる、『家庭の医学』並みに一家に一冊必備されてもよい実用的ななのである。 たとえば光る竹を切ってみたら、かぐや姫のようなオオコノハズクが出てくること、たまにありますね。小

    家の前に大きなピレネー犬が倒れていた! さあどうする?『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』 - HONZ
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    kazutox 2015/09/26
    ピレネーだっこしたい
  • 『印刷という革命 ルネサンスの本と日常生活』初期近代印刷文化の興亡と万有書誌の夢 - HONZ

    ここに翻訳をお届けする『印刷という革命──ルネサンスのと日常生活』は、西欧印刷史の泰斗アンドルー・ペティグリーが満を持して2010年に世に問うた、実にスリリングな初期近代メディア文化史の傑作である。 原著で400ページを超えるその浩瀚なヴォリュームと射程の広さ、扱うトピックの目くるめく多様性にもかかわらず、原題は『ルネサンスにおける』(The Book in the Renaissance)と意外なほどシンプルで、そのややもするとぶっきらぼうにも見える骨太な表題のうちに、著者の自信のほどがうかがえる魅惑の一冊だ。邦題の選定にあたっては、そのあたりの含みをうまく伝えられないものかと苦心したが、結局は書の内容を要約した『印刷という革命』に落ち着いた。 ペティグリーは現在、イギリスのセント・アンドルーズ大学歴史学講座で教鞭をとる気鋭

    『印刷という革命 ルネサンスの本と日常生活』初期近代印刷文化の興亡と万有書誌の夢 - HONZ
    kazutox
    kazutox 2015/09/14
    本の本