前編記事「便秘、猫背、朝食食べない…「熱中症」のリスクが高いのはこんな人」に続き、臓器に負担を掛けずに夏を乗り切る方法を伝授する。 腎臓は夏に負担がかかる 「熱中症で亡くなるのは、圧倒的に高齢者が多い。たいていは気づかないうちに腎臓の機能が弱っており、脱水状態になりやすいのです」 こう語るのは、腎臓リハビリテーションの第一人者で東北大学大学院名誉教授の上月正博氏だ。腎機能が弱まってくると、尿を体内に貯蔵しておく機能も弱まり、頻尿や多尿になりやすい。その結果、水分が体外に排出されやすくなり、脱水を引き起こすことになる。 「なかでも注意したいのは急性腎障害です。目の周りや足のむくみ、食欲低下や息切れ、倦怠感、皮膚のかゆみなどの症状が出てきます」(上月氏) 急性腎障害は脱水により起こりやすい。脱水状態で血液量が低下し、尿細管が酸素不足になり、腎臓の機能低下を招く。すると尿を濾過し、蓄える能力が落