政府税制調査会を中心に2010年末に向けて進む税制改正論議で、高所得層に負担増を求めるメニューが目白押しだ。財源不足が深刻な中、「目玉施策」のための財源探しがままならず、「取りやすいところから取る」(エコノミスト)ということらしい。だが、景気の先行き不透明感が強まっており、内需の柱である個人消費へのマイナスの影響を懸念する声も出ている。 2010年11月9日の政府税調の全体会合で、所得税と住民税の見直しについての議論に着手。財務省の尾立源幸政務官が所得税見直しの論点として、「所得税の累進性と所得再分配の機能を回復するため、控除の見直しに取り組むことが必要」と訴えた。 年収1000万円以上は配偶者控除廃止へ 「控除」は、収入から一定額を差し引いて所得税と住民税の課税対象から外すもの。所得税は所得が増えるにしたがって税負担も重くなる「累進課税」を基本にしているが、自民党政権下で各種控除が拡大さ