2004年に上梓した『考える技術』という拙著がある。このタイトルについて、わたしにこう言った人がいる。「大前さん、惜しいね。『国家が国民をだます時代になってきた』というタイトルにしたらもっと売れたのに」と。確かにその本は、そういう内容の本だった。 非常に残念なことながら、国家が我々国民をだましてきた例は枚挙にいとまがない。最近では年金問題などが話題になった。5000万件以上もの納付記録が、だれが納めたものなのか分からなくなっている。 参考記事 大前研一:国民をだます国、日本 いよいよ参議院選挙が公示される。国民はこの選挙で政治に何を問えばいいのか──。安倍政権の実績と自民、公明、民主各党のマニフェスト(政権公約)に対して厳しい評価を下した言論NPOの工藤泰志代表に聞いた。 参考記事 参院選に何を問うか(前編) 学校教育、病院、福祉・介護、そして農業。ここ数年で私は日本の主な公的サービス