現職総理に遠慮するそぶりもなく自民党内から次々と「ポスト岸田」に名乗りを挙げる現状は、総理大臣の専権事項である「伝家の宝刀」衆議院の解散権を岸田文雄・首相が行使できなかったことに端を発する。それもそのはず、有権者の深刻な自民党離れは、総理の地元・広島1区にまで及んでいた──。【全3回の第1回】 「1区現象」に戦々恐々 さる6月27日、東京・千代田区のホテルニューオータニで行なわれた自民党の1区選出議員でつくる「1区の会」の会合で岸田首相はこう語った。 「1区は無党派層が多く選挙で党のイメージが影響しやすい。みなさんには苦労をかけているが、全員当選できるように力を合わせて頑張っていきたい」 自民党逆風下の総選挙では、無党派層が多い都市部で劣勢に立たされる。とくに各都道府県の県庁所在地を選挙区に含む1区で自民党議員が軒並み野党に敗れる「1区現象」が知られている。4月の衆院補選でも、裏金問題批判
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