思考を自由にするために、思考をする。この『孤独の価値』を読んでいて、森博嗣さんがここ何年か出している新書群を一言で言い表すなら、こういう表現が良いのではないかと思った。たとえば昨年出版された「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) - 基本読書 は、仕事にやりがいを見出すこと、楽しく働くことがあるべき姿のように吹聴されており、それを真に受けて現実の自分とのギャップに苦しんでいる人がいるが、仕事は本来辛いもので生きるため=金を稼ぐための手段でしかないからそう割り切るのも一つの考え方だという「押し付けられた幻想」を打ち壊すための「思考」について語っている。 本書はこの例にのっとっていえば、孤独、寂しさを感じることは一般的には「悪いもの」とする風潮があるが、それは本当かと問いなおす一冊だ。孤独とは何なのか、寂しいと感じるのは何か不利益をもたらしているのか? そして孤独でいることには、大きな
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