フランスの学者ファーブルが「昆虫記」で熱心な観察記録を残したフンコロガシは月がない夜、天の川の明かりを手掛かりに、ふんの玉をほぼ真っすぐ転がし続けることが分かった。スウェーデン・ルンド大などの研究チームがプラネタリウムを使って実験した成果で、米科学誌カレント・バイオロジーに発表した。 渡り鳥やアザラシが夜空の星を手掛かりにするという報告はあるが、天の川を手掛かりにする昆虫が確認されたのは初めてという。研究チームは、こうした能力を持つ動物は多いとみている。 フンコロガシは、牛などのふんが落ちている場所から餌のふんを競争相手に奪われないよう丸めて運び出す。研究チームはプラネタリウムで、映写する夜空の状況によってフンコロガシがふんの玉を転がす方向や速さがどう変わるか調べた。 その結果、満天の星や天の川を映写した場合、ほぼ真っすぐに素早く転がしたが、暗闇や明るい星が18個程度の場合は方向が