うんちの化石の DNA(2018.02.26) 絶滅した動物の生態系における役割を想像することは重要であり,困難な試みでもあります。 Boast et al. (2018) は絶滅したモアの仲間と絶滅危惧種のフクロウオウムの糞石(糞化石)に残された DNA から彼らの餌や寄生虫を調べ,ニュージーランドにおける生態的な役割について考察しています。 ニュージーランド列島は長期間(約 5,500 万年間)他の大陸から隔離され,独自の生態系が進化したことで知られています。 しかし人類の移住やそれに伴う野生動物の移入によって,飛べない巨大鳥類であるモアの仲間 9 種(最大で高さ 3.6 m に達する) は絶滅,オウムの仲間でやはり飛べないフクロウオウム(別名カカポ)も絶滅の危機に瀕しています。 彼らの絶滅や激減が生態系に及ぼす影響を調べるには,生態学的な手がかりを多く含む糞石が注目されますが, 従来