国民年金や厚生年金の積立金を運用する独立行政法人「年金積立金管理運用(GPIF)」は27日、平成20年度第3四半期(20年10~12月期)の市場運用の総合収益額(運用損益)が5兆7398億円の赤字になったと発表した。利回りはマイナス6・09%だった。世界的な金融危機に直撃され、13年度に自主運用を始めてから四半期ベースで最大の運用損を記録した。金融市場の低迷は続いているため、20年度累計の運用損は10兆円を突破する勢いであり、年金運用のあり方が改めて問われることになりそうだ。 昨年12月末時点における市場運用資産総額は90兆4349億円(時価)。20年度第3四半期は、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破(は)綻(たん)を契機に世界の金融市場が大きく混乱し、日本でも株安と円高が急速に進行した。 この結果、市場運用分の構成比で8%しか占めていない外国株式で3兆4763億円の赤字を出した。外国