あらゆる細胞に分化する万能性がある「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)の作製に世界で初めて成功した京都大学の山中伸弥教授らが5日、基礎研究や臨床応用を目指した研究などを行う「iPS細胞研究所」を今年4月1日に京大内に設立すると発表した。初代所長には山中教授が就任する。 学内にある現在の研究拠点では基礎研究が中心だが、新研究所では創薬への応用に取り組む研究部門などを充実。山中教授は「1日も早く臨床応用を実現したい」と意欲を見せた。 研究所の研究棟(地上5階、地下1階)は、京大吉田キャンパス南部構内に今年2月完成。延べ床面積約1万2千平方メートルの国内最大のiPS細胞の研究施設で、平成22年度は研究者ら約120人が勤務する。 研究所には、iPS細胞樹立のメカニズムを探る基礎研究の部門や、iPS細胞を用いた病態解明や創薬応用などを探る研究部門のほか、iPS細胞研究に関する法的な規制についての研究者