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ブックマーク / sivad.hatenablog.com (20)

  • 書評・生命の研究はどこまで自由か - 赤の女王とお茶を

    開店休業状態ですが、ひさびさに更新。 生命の研究はどこまで自由か――科学者との対話から 作者: ぬで島次郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/02/25メディア: 単行(ソフトカバー) クリック: 31回この商品を含むブログ (3件) を見る生命の研究、と題打っていますが、池内了が話者に入っているように、議論は必ずしも生命科学や生命倫理に限定されていません。ただ、社会との関わりという点において生命研究は論点が多いので、一つのたたき台として取り上げられている印象。今考えるなら、原子力工学や経済学、疫学なども取り上げるとより深みが出たのではないかと思います。 著者のぬで島次郎氏は社会学者、真木悠介の弟子筋ということで、池内了(宇宙物理学)、長谷川真理子(進化生物学)、勝木元也(分子生物学)、田川洋一(発生工学)といった学者陣に対して、ただインタビューするというよりは、自分の見解を

    書評・生命の研究はどこまで自由か - 赤の女王とお茶を
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    keloinwell 2011/05/10
    ここで挙げられている7つの問いについて、自分なりの答えを考えておきたい。
  • 「博士の奇妙な問題・第一部ポスドク・ブラッド」の終幕 - 赤の女王とお茶を

    終演のサイレンを鳴らすのが書。 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス) 作者: 榎木英介出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2010/11/16メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 20人 クリック: 307回この商品を含むブログ (52件) を見る著者はわたしの旧知の友人/恩人でもあり、博士、ポスドク問題を2001年から指摘し続けてきた、元サイコム、現SSA代表の榎木英介医師/博士です。 大学院問題に関しては、水月氏の「高学歴ワーキングプア」「アカデミア・サバイバル」が話題となり、その後も継続的に発言を続けておられます。 しかし、やはり大学院問題の丸は悪名高き「ポスドク一万人計画」にあるだろうし、このテーマについて語るのに榎木氏ほどの適任者はいないでしょう。 書には、いわゆるロスジェネ世代として、実際にポスドク一万人

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    keloinwell 2010/11/25
    グラミン・サイエンス、いいかも。
  • これぞ大学院生必携、『研究室の人間関係学』 - 赤の女王とお茶を

    ちまたで大学院問題が再興しているみたいなので、二度目になりますが書を紹介しておこうと思います。ちなみにタイトルは「ラボ・ダイナミクス」ですが、『研究室の人間関係学』ような邦題にしたほうがずっとわかりやすいと思います。 まず前提認識ですが、大学・大学院といった高等教育はその定義からして、多様性を持つものです。 国民があまねく受けるべき教育、というのはすなわち「義務教育」なんであって、それにプラスアルファして個々人の状況に合わせて学ぶための知識や技術や思考こそ高等教育機関が受け持つべき領域なのです。 有識者の皆さんが大好きな米国の大学だって、ものすごく多様です。 ハーバードやスタンフォードといった私立研究系大学ばかり取りざたされますが、米国社会を支えているのはそれだけではなく、地域の教育や産業をになう州立大学、社会で活躍するための来的な「教養」を身につけるリベラルアーツ・カレッジなどなど、

    これぞ大学院生必携、『研究室の人間関係学』 - 赤の女王とお茶を
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    keloinwell 2010/03/07
    読んでみる。
  • セカンド・インパクトにいたる幹細胞研究のラプソディー - 赤の女王とお茶を

    幹細胞WARS―幹細胞の獲得と制御をめぐる国際競争 作者: シンシアフォックス,西川伸一,Cynthia Fox,志立あや,千葉啓恵,三谷祐貴子出版社/メーカー: 一灯舎発売日: 2009/07/01メディア: 単行購入: 8人 クリック: 99回この商品を含むブログ (4件) を見るクローン羊ドリーの誕生が幹細胞研究のファースト・インパクトだったとしたら、当然セカンド・インパクトは山中博士のiPS細胞ということになると思います。 書はセカンド・インパクト直前までの幹細胞研究の動乱をケレンミたっぷりに描いた科学教養書。一般向けとはいえ、医学、生命科学、遺伝学の専門的な知識もどかどか投入されてきますので、専門家が読んだとしても十二分に歯ごたえのある硬派な一冊です。 今となっては報道もiPS細胞一色になってしまっていますが、なぜこの発見があれほどまでに世界を騒がせたのか、これを読めば実感と

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  • 日米大学連合にみる提言力の差 - 赤の女王とお茶を

    文脈も違いますし、理学部長会議と大学協会の差もありますから、単純に比較するのはフェアではないと思いますが。 まず、11月23日に提出された全国10大学理学部長からの提言。 国立大学法人10大学理学部長会議の緊急提言 私達,国立大学法人10大学理学部長会議は,まず,事業仕分け前半でなされた科学技術・学術研究や次世代人材育成に関わる事業に対する判断の再考を求めます。事業仕分け後半においては,“短期的成果主義”から脱却し,基礎科学が有する特徴と,基礎科学を担っている国立大学法人を含む学術機関が置かれている現状に十分に配慮し,適切に判断されることを強く望みます。科学技術創造立国を目指す我が国が,人類の持続的繁栄に世界の先頭に立って貢献していくという観点からの議論を願うものです。 若い人にまっさきに任期制を導入しておいて「“短期的成果主義”から脱却」もなにもないだろう、というツッコミはさておき、総論

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  • 「脳死は人の死か」という以前に「脳死判定が本当に脳の死を意味しているのか」が問題 - 赤の女王とお茶を

    臓器移植法案に関して、「脳死は人の死か」、ということに関する意見表明がちらほら見られて、それはそれでいいことだと思うのですが、脳死についてはそれ以前に考えるべきことがあります。 脳死に関する問題は大きく三つに分類されて、 1.どのように『脳の死』を判定し定義するか 2.脳の死が個人の死であるのか 3.個人の臓器をどう扱うべきか と考えることができるわけですが、臓器移植法関連では2以降がよく議論されて1がスルーされがちです。 しかしまず考えるべき、重大なことは1の問題です。 皆さんは脳の死、と言ったとき脳のどのような状態をイメージするでしょうか。 脳波がピーーー、とフラットになった時? それとも脳組織そのものが豆腐のように崩壊してしまった状態? 二つはイコールではありません。 前者のイメージ、脳の機能が外部から測定不能になったときを脳の「機能死」といいます。 後者の状態、脳組織自体が修復不能

    「脳死は人の死か」という以前に「脳死判定が本当に脳の死を意味しているのか」が問題 - 赤の女王とお茶を
    keloinwell
    keloinwell 2009/06/24
    脳の機能死と器質死との区別について。問題が難しすぎて、一概にコメントできない。
  • ぼく経済成長のなんなのさ - 赤の女王とお茶を

    わかりやすい…ようでいてなんだかわかりにくくないですか? 私の鈍さはさておき。 経済成長ってなんなのよ? 多分複雑な前提をいろいろと省略しているために分かりにくいのだと思うので、個人的に整理してみます。 というわけで 経済成長=一人当たり実質GDPの上昇 というところから出発しましょう. まずこれ、どうなんでしょう。 こうやって人口で割るといかにもGDPが各国民に分配されているように見えますけど、実際にはそんなことはないわけで。「国民の豊かさ」の指標としてはかなり作為が入ってきませんか。 普通、正規分布をとらないような集団を代表・要約する場合には平均値ではなく最頻値や中央値を使いますよね。たとえば「世帯あたり購買力の最頻値」であればかなり現実を反映するように思うのですがいかがでしょう。 雲の上のほうで巨額のマネーが飛び交えばGDPは上昇するでしょうけど、それを人口で割っても「国民が経済的に

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  • ips細胞研究を「再生」するために必要な3つの処方箋 - 赤の女王とお茶を

    昨年2008年はiPS細胞の発見でバイオも世の中も大いに沸いたわけですが、大方の予想通り日のiPS研究は先行き多難な模様。 iPSの山中さんが「今年は1勝10敗だった」 「大方の予想通り」と書いたのは別に皮肉ではなく、研究プロジェクトが動いた当初からバイオ系の関係者の多くが心配していたことだからです。 問題は大きく三つ。 1.予算の問題 2.周縁専門家の育成不足 3.雇用不安 1.予算の問題 単純に予算規模だけ比較しても、アメリカではカリフォルニア州だけでも10年で3000億円、マサチューセッツでは1200億円投入するのに対し、日では5年で100億円。 知恵で対抗するにしても、ちょっと物量が違いすぎます。 しかも、この100億円は国の科学研究費従来の枠内で都合するもの。つまり他の研究者に配分する予算を取り上げてこちらに回しているのです。伝聞では、すでに確定したはずの予算も削られていると

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  • "博士ネットワーク・ミーティング@つくば"のお知らせ! - 赤の女王とお茶を

    ■テーマ:日の知的生産サバイバル 金融バブルが崩壊し、実体経済の重みが日に日に増すと同時に、現代は糧や資源、少子高齢化、新興国の人口増加と、待ったなしの問題を抱えています。 これらの問題解決には科学や技術といった実体的な知性の力が不可欠です。 一方で、博士号取得者をはじめ、日の高度知的人材は能力を十分に活かしきれているとはいえない状況にあります。 この問題の解決はアカデミアのみに留まらず、日のサバイバルをも左右するとの観点から、問題意識を共有する博士等知的人材のネットワーキングおよび意見集約を行うためのミーティングを開催します。 今後につながるネットワーク作りを志向していますので、当日はできる限り名刺持参での交流をお願いします。仕事や研究のための人脈形成、異分野との交流、知的刺激の追求、志の共有などさまざまな目的を持っておいでいただけると嬉しいです。 ※今年9月23日に京都で開催さ

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    keloinwell 2008/12/28
    参加する。
  • 科学とパラダイムのジグソーパズル - 赤の女王とお茶を

    どうもはてなでは定期的に科学論が勃興するみたいで、らしいなあと思いつつ、せっかくなんだからぐるぐる回るのではなく、らせん状でもいいので前進できればな、と希望的観測を掲げてみます。 ところで科学論の中で進化論と双璧をなす誤解の二大巨頭といえば、トマス・クーンに端をなす「パラダイム論」でしょう。 たとえば日の某批評家EAST氏は自称科学哲学出身らしいですが、このパラダイム論の典型的誤用である「何でも都合よく相対化ポストモダ〜ン」で突っ走っているようで、最近は見ていて痛々しいですね。 またEAST氏に限らず、科学批判や相対化の際にもっともよく使われる(そして間違えられる)議論だといってよいでしょう。 では来的なパラダイム論はどのようなものであるか? 科学をパラダイムで捉えるとはどういうことか。 簡単にですが解説してみましょう。 まず、こちらによると クーンによれば、パラダイムとは次の2つの特

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  • お知らせ:11月22日お台場サイエンス・アゴラで博士プレ・ミーティング開催します! - 赤の女王とお茶を

    ご無沙汰しております。 前回京都で開催した博士ネットワーク・ミーティングには多数の参加をいただきまして、誠にありがとうございました。 次は関東での開催を目論んでいるのですが、少々準備に時間が掛かりそうです。 しかしあまり間が空きすぎるのもどうかということで、ちょうど11月に開催される科学技術振興機構主催「サイエンス・アゴラ」の企画にお邪魔する形で「プレ・ミーティング」をやってしまいます。 現在の予定では、サイコムさんの企画 11月22日(土) 15:00〜17:30 会場:東京国際交流館 メディアホール 「音で語る「研究問題」〜研究問題 メーリングリスト 10 周年に寄せて〜」 の後半にお時間をいただき、その後街にでも繰り出そうか、というノリになっております。 今回はプレということで、自己紹介シートの提出義務はなくし、関心のある方に広く参加していただこうと思っています。科学技術振興機構の

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    keloinwell 2008/10/28
    参加しようかな。
  • 日本はそろそろノーベル賞のクレクレをやめてもよい国だと思う - 赤の女王とお茶を

    今年のノーベル賞はいろいろな意味で興味深かったし、質の高いエントリが沢山書かれたと思います。 研究の奥深さや学問の素晴らしさがアピールされる一方、ノーベル賞の不完全さにもスポットライトが当たった点が特に面白かったですね。 例えばこんな記事たち。 Douglas Prasher博士のケース、ノーベル化学賞の裏側で このかたは、下村博士のおられたところ同じ海洋研究所にいて博士がみつけたGFPタンパク質の遺伝子をつかまえてその配列やアミノ酸配列を決めたものでした。 それで、まさにこの遺伝子をもちいてチャルフィー博士など今回の受賞となった研究をしようとしたのだけれども、継続困難で、研究費を打ち切られ職もうしなってしまったのだそうです。 日にノーベル賞が来た理由 戸塚洋二博士(1942-2008.7.10)です。戸塚さんこそ、ノーベル賞をもらわないわけにはゆかない人でした。 なぜ「大してうれしくな

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    keloinwell 2008/10/11
    でも、これほど明確に権威のある賞も他にないからなあ。他の人には分かりやすい基準だし。科学が門外漢には重箱の隅をつついている印象を与えてしまう以上、情報を伝えられるよう社会も研究者本人も努力をしないと。
  • 博士ネットワーク・ミーティング@京都、開催します! - 赤の女王とお茶を

    2007年の第71回総合科学技術会議ではポスドク年限を制限する方針が提案され、また全国の理系大学院博士課程では学生の減少が一層加速しています。 はっきり言って今の日、博士もポスドクも科学も研究も待ったなしの状況になっています。 私もあれやこれや書いている以上できる限りのことはしていきたいと思っていまして、今回NPO法人サイコム様協力の下、NPO法人KGCの柴田代表そして株式会社フューチャーラボラトリの橋社長をお招きし、博士・ポスドク・大学院生・テクノロジスト、その他科学や研究や知識労働に携わる皆様のネットワーキングの機会を京都で設けようということになりました。 こちらでご紹介されているドラッカーの指摘のように、知識労働による生産においては専門家のネットワークがなによりも重要です。 個人のライフハックも大事ですが、一つの専門から社会に生み出せる価値は限られてきます。 特にライフサイエンス

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    keloinwell 2008/08/28
    京都かぁ。うーん。
  • 日本教にもっと奥まで切り込んだ4(+1)冊 - 赤の女王とお茶を

    教を語る上で欠かせない3冊 日教の正体を炙り出す上で押さえておきたい17冊 面白いですね。「空気の研究」とか歴史のいくつかはウチにもありますが、意外とマストが入ってないようなので追加しときますよ。 日 権力構造の謎〈上〉 (ハヤカワ文庫NF) 作者: カレル・ヴァンウォルフレン,Karel Van Wolferen,篠原勝出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1994/04/01メディア: 文庫購入: 21人 クリック: 238回この商品を含むブログ (33件) を見る論理の方法―社会科学のためのモデル 作者: 小室直樹出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2003/04メディア: 単行購入: 10人 クリック: 119回この商品を含むブログ (32件) を見る日の失敗―「第二の開国」と「大東亜戦争」 (岩波現代文庫) 作者: 松健一出版社/メーカー: 岩波書店発売日

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  • 日本はバイオをやるのか捨てるのか白黒つける時期だ - 赤の女王とお茶を

    にわかに学歴論が盛り上がっているようですが、正直あまり指が動かないなぁ。知ってる京大の人も大概ちゃんと就職してるし、おもろいことやってる人も多いよ。官僚タイプってそんなにいるの? 仙人は何人か知ってますが。 で発端かどうか分かりませんが、ちょうど朝日に博士の話が出ていて、酵母研究の大御所柳田先生も日記で触れていることだしそっちの話をしてみます。 博士っても沢山あるのですが、現在いろいろな意味で最も問題が深刻なのはバイオ系といわれています。 メディアではips細胞をはじめいろいろな成果が報じられていますが、少なくともバイオ系博士課程に進学する学生は順調に減りつつあるようです。どこかに数字があったかな? 問題点は二つ。 1.今現在博士課程にいる学生やポスドクの進路 2.日のバイオ戦略 お互いに絡み合った問題なのですが、まずなぜバイオ系が激増し、そして余ったか、という点について。 基的には

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    keloinwell
    keloinwell 2008/08/02
    このままだと優秀な人は、海外にどんどん出て行ってしまうよなぁ。
  • 動物は労働するか? - 赤の女王とお茶を

    ポスト・ヒューマンの魔術師のkimuraさんからコメントをいただきました。 以前私がつけたブックマークコメントに関して、動物が労働するのか否か、という点についての質問ということです。 ぶっちゃけそれは動物・人間・労働の定義次第ではあるのですが、kimuraさんの立脚する定義を完全に把握するのは大変なので、すみませんがとりあえずその辺なんとなくで進めてみます。 まず、例えばですが「腹が減ったので木の実をもいでべる」、というのは多分ここでの「労働」には含まれないでしょう。こういう、単純に自分の生理的欲求を満たす行動ならもちろん動物もやりますよね。 しかし人間社会、特に現代における「労働」というのは高度に社会化された行為です。それは組織や集団や社会の中の一部分として何らかの役割や機能を担い、生活時間の大半をその役割に費やす、ということです。 こういうことを動物がやるでしょうか。 組織や集団の部

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  • ペンと剣にまつわる4つのルール - 赤の女王とお茶を

    精神分析家でもありませんし、人の内面を探るのはあんまり好きじゃないので、「彼」についての素人分析はやめておきます。そこには歴史の積み重ねがあったとしかいえない。 気になったのはこちらの話。 「加藤の乱」を平成の血盟団事件にしないために 「加藤の乱」という呼び方はどうかと思うのだけれど、この事件が結果的に「剣」の役割を果たしたのは否定しようがないでしょう。 mkusunokさんは良心的に「それでもペンが強い」ことを主張なさっていますが、ペンと剣の関係は単純にどっちが強い、というものではないし、どっちも必要、という以上に複雑です。 思いつくままに、ペンと剣の関係について4つばかり挙げてみましょう。 1.ペンと剣が直接戦えば、剣が勝つ 2.お互いが同等の剣を持っている時、ペンに優れたものが勝つ 3.剣同士の戦いはゼロサムかマイナスサムだが、ペン同士の戦いはプラスサムになりうる 4.したがって剣で

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  • 最近の化粧品がスゴイ件 - 赤の女王とお茶を

    調べ物の途中でたまたま発見したので。 黒影さんとこの「マコモ風呂」とはある意味正反対の方向へ行き過ぎてしまった感のある商品。 サイトカイン化粧品3GFエッセンス だそうな。 3GFというのは分子発生学でお馴染みのEGF、IGF、そしてFGFのことらしい。 EGF:上皮成長因子(Epidermal Growth Factor) IGF:インスリン様成長因子(Insulin-like Growth Factor) FGF:線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor) どれも生体内で細胞増殖を促進するとされている重要なサイトカイン(細胞間情報伝達物質)です。 上記サイトではノーベル賞ノーベル賞と騒いでますが、もちろんそれは発生学的基礎研究に対して与えられたものであって、美容やアンチエイジングの効果とは直接関係ありません。 まあバイオ関係者ならEGF・FGF・IGFをまと

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  • 2007-07-07 - 赤の女王とお茶を--ポスドク問題は博士のビジネス参入を阻害する

    クローズアップ現代「にっぽんの“頭脳”はいかせるか〜苦悩する博士たち〜」 こういう話はもう数年来繰り返し、繰り返し、繰り返し論じてきましたんで正直傷気味ですが、マンネリズムこそブログの醍醐味ってことでもう一度。 こちらでも書いたように、基的に方法は二つ。 供給を減らすか 需要を増やすか それだけです。 まあ数年前と違い、ポスドク問題など博士進学のリスクとコストをネット上で容易に知ることができますので、供給は自然に減っていくと思われます*1。 ただし、これはお国の目論見とは逆の効果をもたらします。 博士進学には、授業料およびその間仮に就職していた場合の機会費用を合わせると優に一千万を越えるコストがかかります。 その上年齢も上がり、就職先も制限される。任期付きの職で各地を転々としなければならないかもしれない。研究員という名の派遣社員になる可能性も高い。ベンチャーだって日は散々だ*2。 き

    2007-07-07 - 赤の女王とお茶を--ポスドク問題は博士のビジネス参入を阻害する
    keloinwell
    keloinwell 2007/07/12
    専門的知識よりもその一段階上のメタ知識が重要だ。その通りだと思う。
  • 赤の女王とお茶を - 日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由

    残業代を払えない経営者は無能である 有能な経営者を期待したら負けである なかなか面白くなってまいりました。 経営に関することは御大二人にお任せするとして、私はこれを一種の「理系哀歌」モノとして読みました。 ですが実は、日技術者や研究者の社会的立場がいつまでたっても弱く、「搾取」され続ける理由は明白なんです。 支持団体がないから これですよ。 もちろん瑣末な理由はいくらでも出して来れますが、社会的に観るならば間違いなくコレです。 例えば米国。 かの国には世界最大・最強の理系支持団体、 "AAAS (American Association for the Advancement of Science)" があります。 262の支部と1000万人の加入者を誇るこのNPOは世界最高峰の科学雑誌「Science」の発行元として有名ですが、ホームページを読めばその活動はまさに「アメリカ理系力」の

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