メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防効果があるとされる「アディポネクチン」というホルモンが、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の治療にも効果があることを大阪大大学院の武田吉人助教(呼吸器内科)らがマウスの実験で突き止めたと21日、発表した。COPDの新たな治療法の開発につながる可能性がある。米医学専門誌に論文が掲載された。 COPDは喫煙などが原因で発症し、肺気腫や慢性気管支炎などを起こす。患者は世界的に増加傾向にあるが、根本的な治療法は確立されていない。 アディポネクチンは脂肪細胞が分泌する善玉物質。動脈硬化や糖尿病などの防止に役立てる研究が進んでいるが、COPDの治療効果を確認したのは初めて。肺血管を保護することで効果を発揮するとみている。 武田助教らは、アディポネクチンをつくる遺伝子を欠損させたマウスを作製。肺を最新の手法で調べたところ、生後8週で呼吸機能が通常と比