昨年ノーベル賞が与えられた、オキーフさんとモザー夫妻の研究は、脳内のGPSの発見と簡単に要約されてしまっているが、この分野の論文を読んでいると方法論から理論まで、位置特定のための記憶に限らず、記憶研究一般にとって様々な革新を成し遂げた仕事である事がわかる。7月8日に紹介したやはりノーベル賞研究者エリック・カンデルさんは(http://aasj.jp/news/watch/3720)、記憶に必要な個別のニューロン内での変化を追求し続けているが、一方記憶を新しい脳回路の形成とその活動の維持として捉える方向性の研究を代表しているのがオキーフさんたちの研究だろう。今日紹介するテキサス・サウスウエスタン大学からの研究はこの場所記憶の回路の活動が脳の全体のリズムに連結されている事を示す研究で7月15日号Scienceに掲載されている。私のキャリアから見て全く異分野なので、間違った事を伝える不安はあるが