異言語を学ぶということは、必然的にその文化も学ぶことにもなるし、その文化を学ぶことはその言語を学ぶモチベーションにもなる。特に、文化的な歴史遺産の大きい言語の場合はあてはまるが、考えてみるまでもなく、ラテン語はその最たるものだ。 そんな気持ちで新書でもあるので気楽に中公新書『 ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産(小林標)』を読んでみた。読みながら、あれ、この先生、俗ラテン語に詳しいなあと思ったら、『ロマンスという言語 ―フランス語は、スペイン語は、イタリア語は、いかに生まれたか』の著者と同じだった。こちらの本もとても興味深いものでと、過去に書いた書評を検索したら、あれ、書いてなかったっけ。間抜けだ。 さて、中公新書『 ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産(小林標)』なのだが、基本的に新書らしい概論が書かれていて、かつ文章も読みやすい。さらにラテン語文学についての概論はかなりわかり